そのM女は魅力的だった。愛らしい顏で細身で小さな身体ながらに胸とお尻だけがキュッと突き出ているのだ。その上、望まれるプレイはたいてい何でも出来てしまう。
あの頃は、まだ、SMは今ほど知られたものではなく、SMクラブでも、一本鞭を受けられるM女など、そうそういるものではなく、また、スカトロ系もオシッコをかけられるところまで出来るM女も少なかった。そんな頃に、そのM女は鞭、針、野外全裸プレイ、飲尿、と、本当に何でもありだったのだ。
もちろん、人気のM女であれば、今更、取材記事で彼女を売る必要もないのだが、しかし、取材にも、心よく応じていた。しかも、体験取材という名目で、取材記者とどこまでもプレイしてしまう。求められれば取材だからという意味のない理由でセックスまでさせていた。
そうしたM女には、もちろん、筆者は興味があった。しかし、無料でプレイしてセックスまでさせてもらおうという興味ではない。そのあたりが、あの頃のエロマニア雑誌の編集者としては、筆者は異端だったのである。
筆者は取材ギャラを店に支払って、三時間のインタビューを申し入れた。ギャラはプレイ料金には見合わない。三時間も拘束されるなら、三時間、M女にプレイさせたほうが店は利益になる。しかし、その話しを聞いたM女は、自ら熱心に店に頼みこんだらしく、それによって取材が成立したらしいのだ。どうして、彼女がそこまでしてくれたのか、不思議だった。
そんな取材の後に飲むコーヒーは格別な味になるはずだった。ところが、この取材の後で飲んだコーヒーは味気なかった。
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