ケータイを買ってから三年。
それまではケータイを持っておらず、友人知人から原始人扱いされていた。それでも持たなかったのは、一人の時間を大切にしたかったから。それが、父が散歩中に転んで大痣を作ったのをきっかけに、二十四時間いつでも家族同士の連絡がつくように持つことにした。
持った理由がそんなことだから、最新機種に心奪われることもなく、最初のガラケーを今も使い続けているし、それでまったく痛痒を感じない。
アドレスもやたらと教えたりしない。会社の人間にも買ったことすら教えていないので、社内では今でも「携帯を持っていない人間」として認知されている。メールが一通も来ない日なんて珍しくない。というより、そのほうが多い。
このままずっと、春の縁側で日なたぼっこするネコのように、穏やかなガラケー生活を送り続ける……はずだった。
異変が起きたのは、先日、スマホだと「radiko」(
http://radiko.jp/)でラジオ放送が聴けると知ったときだ。
ぼくは『久米宏 ラジオなんですけど』『清水ミチコと三谷幸喜 MAKING SENSE』『桑田佳祐 やさしい夜遊び』『ラジオ文芸館』のリスナーなのだが、本当は『小林克也 ビートルズから始まる』も聴きたいと願っていて、放送しているbayfmの受信状態がめちゃくちゃ悪くて聴けないのが残念で仕方がなかった。それが「radiko」にアクセスすればあっさり聴けると知り、にわかに物欲がフツフツを湧き出した。
どうしようかなあ。
今は迷っているが、スマホに留守録音機能もあるのだとしたら、ほぼ決定的だなあ。
ログインしてコメントを確認・投稿する