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2013年11月17日09:28

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仕置人になりたかった

 小学校5年か6年のとき、学校で「将来なりたい職業」について作文を書かされたとき、「プロ野球選手」と書いた。でも本気じゃなかった。
 たしかにそのころから熱狂的なプロ野球ファンだったし、草野球でもうまい部類に入っていた。しかしその延長線上にプロの道があるとは想像もできなかった。それなのに「プロ野球選手」と書いたのは、他に思い当らなかったから。ただそれだけのことだった(クラスでモテモテの文武両道のイケメンの森君は「外交官」と書いて好感度をさらにアップさせていた)。
 しかし先日、千葉テレビか何かの時代劇の再放送を見ていて、当時本当になりたいものがあったことを思い出した。
 仕置人である。
 言わずと知れた人気テレビシリーズの、あの仕置人である。あれには心底あこがれた。作文にそう書かなかったのは、仕置人というものはテレビ番組の話であって、現実の職業ではないと子供ながらに理解していたからである。そして、そんなことを書いて教師や同級生からからかわれるのも恐れた。
 
 で、仕置人の何が当時のぼくを惹きつけたかをじっくりと考えてみた。
結局のところ、“裏の顔”を持っていることだと突き止めた。緒形拳さん演じる藤枝梅安は普段は鍼医者なのだが、裏では凄腕の暗殺者である。その表と裏、光と影の二面性に子供ながらにゾクゾクしたのだ。特にゾクゾクしたのはレントゲン図で動いている心臓を握りつぶすシーンである。

 二面性へのあこがれは今も続いている。仕事とプライベートでも何でもいい。日の当たらない部分を持っていたいと思う。
 
 そのことを元に『二足のわらじ』というショートショート作品を書きあげて応募したけど、見事、落選しました。(何というオチだ!)
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