二本のショート・ムービー

　ある占いによると、ぼくの今年の運勢は悪いらしい。今までそういうものを気にすることなく生きてきたので、そのことを知らなかった。
　ぼくの実感としては、文句のつけようのない、素晴らしい一年だった。一つひとつを挙げるときりがないので、強引に二本のショート・ムービーにまとめようと思う。
『キネマトグラフ』と『振り子』。
　どちらもハッピーエンドというわけではないが、愛する人への“想い”や大切なものを見失っていたことに気づく“後悔”には共通するものがある。
『キネマトグラフ』は発明家の夫とそれを支える妻の物語。１００パーセントＣＧの１２分の外国映画で、夏まではネット上に公開されていた。しかし今は公開終了となっている。ＤＶＤが出ているわけでもないので、残念ながら今のところ観る手段はない。
『振り子』はお笑い芸人鉄拳のパラパラ漫画で、本当はＰＶなのだが、映画と呼んでいい出来栄えだ。そして、今年唯一の泣けた映画である。ネタバレにならないように内容には触れない。You Tubeで観られるので、ご興味のある方はどうぞ。
　http://www.youtube.com/watch?v=XPBfaMsA97o

　今年一年を強引にまとめた映画がこういうものだと、何だか後悔の一年だったような印象を与えるかもしれないが、そうではない。反対に、後悔しないようにしよう、大切なものを見失わないようにしようと固く決意できた一年という意味である。来年もそうありたい。
　そういうわけで、来年もよろしくお願いいたします。

＊　ツタヤで最新作の『ヘルタースケルター』をさっそく借りた。
　内容的には深みは感じなかったが、観る者を画面にくぎ付けにする映像美やテンポという面においてはたいした作品である。