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2026年04月20日20:16

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「明治侠客伝 三代目襲名」加藤泰〜徹底したローアングル〜

久しぶりに任侠映画を見た。加藤泰の映像演出はスタジオセットが多いこともあって徹底したローアングル。ラストシーンは汽車が向かってくる線路の下にカメラを据えている。そして前景と後景の奥行きを使った映像、クローズアップなど徹底している。『トラック野郎』の鈴木則文が共同脚本に入っている。1965年カラー作品。

明治40年、大阪の喧嘩祭りで、木屋辰一家の二代目江本福一(嵐寛寿郎)が襲われる。祭りからいきなりパンして正面の顔のアップになる殺し屋・山本麟一の目が恐い。木屋辰の一人息子のボンボン、春夫(津川雅彦)は、星野建材の星野軍次郎(大木実)の仕業だといきり立ち、騒ぐ春夫を冷静になだめる菊池浅次郎(鶴田浩二)。星野の配下唐沢組(安部徹)を使っての指金であることはわかっていながら、確証が掴めず動けない。ふて腐れで女遊びに興じる春夫。松乃屋の娼妓初栄(藤純子が若い!)が唐沢の女だということで、親の死に目にも会えないのを知った浅次郎は、初栄を3日間買って、親元に帰してやるのだった。

初栄が父の死を看取り、浅次郎に礼を言うために会うのは、橋の近くの川沿いの石畳。セットであろう石畳にカメラを据え、ローアングルで藤純子の足元を映し出す。ここで初栄は浅次郎に故郷の桃を渡す。『沓掛時次郎 遊侠一匹』(1966)で池内淳子が萬屋錦之介に最初に会って舟で渡すのは柿だった。果物が取り持つ二人。関係が親密になり、朝帰りしたお陰で親分の死に目に会えなかった浅次郎。三代目を襲名するも、堅気の建材店の仕事は春夫に継がせることにした。度重なる星野軍次郎と唐沢組の嫌がらせに合うが、野村組社長の野村勇太郎(丹波哲郎)の助けもあって、春夫は社長として頑張っていた。しかし、馴染みの芸者(水上竜子)に呼び出され、星野軍次郎と唐沢組に襲われる。木屋辰一家の客人石井仙吉(藤山寛美)は、何かと浅次郎と初栄の仲を心配したり、木屋辰一家に親身になっていたが、春夫と一緒にいて殺されてしまう。仙吉が殺され、春夫は重傷。一人浅次郎は、刀を脇に差して、仙吉から預かった拳銃も持って、星野建材に乗り込むのだった。

鶴田浩二はまず馬に乗って働いていた現場から大阪に駆けつける。着物を脱いでさらし姿で刺青の肌を出し、刀を脇に差して単身乗り込んでいくところを横移動のカメラで捉え、鶴田浩二の歌が流れる。そして貨車に乗って、星野建材の窓へと貨車から飛び込むのだ。最後は初栄の前で唐沢(安部徹)を刺し、警察に連行されていく鶴田浩二に藤純子が抱きつくのだ。お節介な渡世人、藤山寛美がいい味を出している。


1965年製作/90分/日本
配給:東映

監督:加藤泰
脚本:村尾昭、鈴木則文
原案:紙屋五平
企画:俊藤浩滋 橋本慶一
撮影:わし尾元也
美術:井川徳道
音楽:菊池俊輔
録音:野津裕男
照明:北口光三郎
編集:河合勝巳
キャスト:鶴田浩二、藤純子、津川雅彦、嵐寛寿郎、藤山寛美、丹波哲郎、大木実、安部徹、山城新伍、曽根晴美、山本麟一、品川隆二、遠藤辰雄、川原健策、水上竜子、中村芳子、毛利菊枝、御影京子、国一太郎
☆☆☆☆4
写真引用コピーライト東映
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