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2026年01月19日11:46

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2026年冬ドラマについて〜『冬のなんかさ』、『探偵さん』、『嘘が嘘で』が面白い!〜

1月から始まった冬ドラマもほぼ出揃った。この冬ドラマは個性的な作品がいくつかある。なかでもこの3本は必見ドラマである。

・『冬のなんかさ、春のなんかね』(日テレ・脚本:今泉力哉、監督:今泉力哉 / 山下敦弘 / 山田卓司)
まず今泉力哉のオリジナル脚本である杉咲花主演の『冬のなんかさ、春のなんかね』が圧倒的に面白い。さすがカリスマ恋愛映画監督の本領発揮だ。ストーリーやセリフや編集でテンポよく展開させていくテレビドラマの常識に逆らって、あえてワンシーンを長々とやり、「場」の空気や二人のやり取りの「間」や表情や仕草をドラマにしている。だから物語はまったく進んでいかず、ダラダラと日常の時間のようにゆっくりと進んでいく。当然、カットを短く割って切り返すようなことはせずに、長回しが多くなる。コインランドリーでの二人の出会いから始まるが、ヒキの映像が効果的に使われているのは、コインランドリーという出会いの「場」が重要だからだ。土田文菜(杉咲花)曰く、まともじゃない人たちが集まってくる場所としてのコインランドリー。家に洗濯機を持っていないような人たちが来る「場所」が好きなのだと彼女は言う。そして、ノコノコと出会ったばかりの成田凌の美容室まで付いていき、タオルを干すのを景色のように眺め続ける。彼女にとっての非日常の景色。そして家にまで押しかける大胆さ。不審に思う成田凌に対して、一度部屋を出てもう一度入り直して、「これで2回目の訪問だ。初めてじゃない。」と奇妙なことを口にする。

そんなダラダラとしたシーンの後に、翌朝の置き手紙で付き合うことを決めた二人。友人の岡山天音が杉咲花と付き合おうと意を決して手紙を渡そうとするも、昨日彼氏が出来たと言う。それから一気に時間が経って一年後。今度は土田文菜(杉咲花)は、居酒屋で別な男と飲んでいる。小説家・山田線(内堀太郎)という男だ。どうやら土田文菜(杉咲花)にはまだ彼氏(成田凌)がいて、山田線にも彼女がいるようだ。お互い浮気相手なのだが、それぞれが惹かれ合っている関係。今度はその二人のダラダラとした会話が続く。くっつくでもなく離れるでもない微妙な関係。この微妙な関係のその距離感がまた面白い。それこそ、男と女のどうにもならない距離感である。さてさて、これからどういう展開になっていくのか?今までにないタイプの演劇的とも言える日常の「場」やセリフの「間」にこだわった人間の関係と距離が見ものだ。杉咲花は『市子』(2023)でも、見事な存在感を放つ演技を見せてくれたが、このドラマは彼女の魅力にかかっていると言っていい。

今泉力哉は、『愛がなんだ』(2019)が出世作だが、初期の『こっぴどい猫』(2012)、『サッドティー』(2013)、『nico』(2012)などのオリジナル脚本作品に、今泉監督の特異さが表われている。『街の上で』(2019)、『ちひろさん』(2023)など安定した商業映画を撮れるようになった今泉だが、このテレビドラマは、かなりチャレンジングだと思う。杉咲花演じる土田文菜というちょっと変わった女性が、果たしてチャーミングに見えるか?どう受け入れられるかが問われるドラマだろう。


・『探偵さん、リュック開いてますよ』(テレ朝系・脚本:沖田修一 / 近藤啓介 / 守屋文雄、監督:沖田修一 / 近藤啓介 / 東かほり)
 ぶっ飛んでいる奇妙なドラマが沖田修一監督の『探偵さん、リュック開いてますよ』だ。沖田修一監督といえば、『横道世之介』をはじめ、『キツツキと雨』、『滝を見に行く』、『おらおらでひとりいぐも』、『子供はわかってあげない』、『さかなのこ』など、ユニークな人たちの独特の世界を描くのが得意な監督である。奇妙な探偵兼発明家の松田龍平がピッタリとハマっている温泉街の物語だ。とにかくそのシュールで奇抜な世界を楽しみたい。NHKの『いつか、無重力の宙で』に出ていた片山友希にも注目したい。

・『嘘が嘘で嘘は嘘だ』(フジ・脚本:生方美久、演出:高野舞)
最近ヒットドラマを連発している若手脚本家の生方美久の意欲作も注目。菊地凛子が「嘘つき」と決めつけたのは「嘘」なのか?まわりに集まってくる元夫の錦戸亮、刑事?の竹原ピストル、元結婚詐欺師?の塩野瑛久など、本当なのか、嘘なのかよく分からないまま、「嘘」をめぐる騙し合いが今後どう展開していくのか?個性的な役者たちなので興味深い。


まだまだ面白いドラマは他にもある。役者のキャラクターが際立ったドラマとして・・。
・『テミスの不確かな法廷』(NHK・原作:直島翔 「テミスの不確かな法廷」、脚本:浜田秀哉)
ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断された他者から見れば宇宙人にも見える変わった裁判官を松山ケンイチが見事に演じている。ありがちな法廷モノながら、裁判官が主役でキャラクターが際立っているので面白い。

・『俺たちバッドバーバーズ』(テレ東・脚本:阪元裕吾 / オノ・マサユキ、監督:阪元裕吾 / 平波亘 / 泉原航一)
理容師、裏の顔は…裏用師(リヨウシ)という奇想天外な理容師アクションコメディ。『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの阪元裕吾が脚本・監督を担当。中島歩がこれまで演じてきたキャラクターとはまったく違うハジケぶり。草川拓弥とのコンビぶりが楽しみ。

・『パンダより恋が苦手な私たち』(日テレ・原作:瀬那和章 「パンダより恋が苦手な私たち」、脚本:根本ノンジ)
生田斗真の動物の求愛行動”を研究する教授がエキセントリックで、編集者の上白石萌歌とどう絡んでいくのか?現代の恋愛指南コメディだ。

そのほかだと・・・
・『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』(フジ・脚本:大石哲也、演出:星野和成)
保険調査員のプロ・玉木宏と岡崎紗絵、小手伸也たちとの奮闘モノ。

・『替え玉ブラヴォー!』(NHK・作:岸本鮎佳、演出:中島由貴 / 伊集院悠 / 曽我まりこ)
北香那と天野はなの女二人の友情物語?

・『未来のムスコ』(TBS・原作:阿相クミコ / 黒麦はぢめ 「未来のムスコ〜恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!」、脚本:ニシオカ・ト・ニール / いとう菜のは)
恋も仕事(劇団女優)も中途半端で自信を無くした女の子・志田未来。突然、未来からムスコがやってきた。コメディー的なラブストーリー?

・『ラムネモンキー』(フジ・原作:古沢良太 「ラムネモンキー1988」、脚本:古沢良太、演出:森脇智延 / 柳沢凌介 / 下畠優太)
古沢良太脚本。かつて同級生3人組が問題を抱えてオヤジとなって再会。反町隆史、大森南朋、津田健次郎。かつての先生(木竜麻生)は殺されたのか?謎を探るサスペンス・コメディ。

・『京都人の密かな愉しみ Rouge 継承』(NHK・作・演出:源孝志)
京都の奥深さを知ることができるドキュメンタリーとドラマの融合した人気シリーズの新作。穂志もえかに注目。

サスペンスものでは・・・
・『夫には違いありません』(カンテレ・フジ系・脚本:おかざきさとこ、演出:国本雅広 / 安里麻里 / 保坂昭一)
ダメ夫の安田顕の死亡確認で保険金を受け取った後に、生きていたことが分かった。今更返せない保険金のため、保険金詐欺に協力する妻の松下奈緒。桜井ユキ、宮沢氷魚、中村海人、松井玲奈などが絡んでくる。

・『再会〜Silent Truth〜』(テレ朝・原作:横関大 「再会」、脚本:橋部敦子、監督:深川栄洋 / 山本大輔)
小学校の同級生4人の秘密。タイムカプセルに埋めた秘密が大人になって明らかになってしまうサスペンス。前クールの『良いこと、悪いこと』(日テレ)の同級生いじめ問題が大人になって事件になるパターンと似ている。竹内涼真が刑事役。井上真央、瀬戸康史、渡辺大知の4人に刑事の江口のり子も加わってキャストが充実。

・『リブート』(TBS・脚本:黒岩勉、演出:坪井敏雄 / 田中健太 / 元井桃)
こちらもキャストが豪華。主役の鈴木亮平がいきなり死んだかと思いきや、松山ケンイチがなりすます(リブート=再起動)ことで鈴木亮平が復活。ということは松山ケンイチは、もう出てこないのか?美容整形と音声加工で他人になりすませる技術が可能になる時代も来る?黒岩勉の脚本力に注目。

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟』は仲野太賀と池松壮亮のコンビぶりが快調な滑り出しで、今後の展開が楽しみです。

見ようと思っているドラマはこんなところか。この中からいくつ見続けられるか?
まだ他に見落としている面白いドラマはあるか?初回は見ても、続けて見るほどでもないか、と断念した作品もいくつかある。
『キンパとおにぎり』も良作だとは思うが、王道の恋愛モノに今さら興味なく、『おコメの女』もなんとなくパターンが見えてきたので続くに至らず・・・。
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