mixiユーザー(id:10930865)

2025年10月19日12:07

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『価値の無くなった債券』

旧道庁赤れんがには、色々な物が展示してありますが、これらは債券です。
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写真1枚目が、昭和17年・19年の「戦時報国債券(せんじ ほうこく さいけん)」。
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戦時報国債券とは、戦争資金を調達するため国民に販売された国債です。
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政府やメディアは、次のようなスローガンで国民に呼びかけました。
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「国債は愛国の証」
「戦場で戦う兵士に、銃後で応えよ」
「戦時報国債を買って国に尽くせ」
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新聞・ラジオ・ポスター・学校教育を通じて、
国民に「債券購入=愛国心の実践」のプロパガンダが展開されました。
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もちろん無理矢理買わされることも多く、しかも戦局の悪化で利払いや償還はなし。
敗戦後は当然無価値になりました。
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戦時の報国のための債券という意味で戦時報国債券です。
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写真2枚目、昭和17年・19年の「大東亜戦争割引国庫債券(だいとうあせんそうわりびきこっこさいけん)」。
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これももちろん戦費調達のための債券で、割引債(ゼロクーポン債に近い形式)です。
こちらの方が戦時報国債券よりまだ金融的合理性があり、買った(実質は強制的に買わされた)のは主に金融機関や企業でした。
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もちろん敗戦後に償還されるなんてことはなく、無価値になりました。
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写真3枚目、「引揚者特別交付金国庫債券(ひきあげしゃとくべつこうふきんこっこさいけん)」。
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これは敗戦後、海外からの引揚者(旧満州・朝鮮・南方地域などから帰国した日本人)に対して、
政府が生活再建のための資金を交付する際に発行した特別な国債です。
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この写真の物は樺太からの引揚者への物です。昭和42年8月16日発行。
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引揚者特別交付金国庫債券は1947年(昭和22年)から発行が始まっています。(「引揚者特別交付金支給法」(昭和22年法律第128号))
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昭和22年に日本国政府にお金があるはずがなく、しかし着の身着のままの引揚者の数は600万人以上という状況です。
それで国庫債券(=政府の借用証書)を交付しました。
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一定期間後に償還(現金化)される予定でした。しかし、戦後の急激なインフレや財政再建政策の中で、
実際には大幅な価値下落が生じました。
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引揚者特別交付金国庫債券も戦後財政の混乱の中で、償還の遅れ・価値の目減りが発生し、実際に十分な救済を得られた人はあまりおりませんでした。
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だからこれがそのまま保管されているのですが……哀しい歴史ですね。
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