「7日間ブックカバーチャレンジ」の2日目。7日間7冊の本の紹介です。
何を隠そう私は文学部フランス文学科専攻なのであります。あの頃、フランスの文化的な世界はカッコ良かったのです。ちょっと前に実存主義のサルトルとカミュがいて、僕の大学時代は構造主義がもてはやされていました。詩人では、ランボー、ボードレール、コクトー、それにロートレアモンの「マルドロールの歌」。幻想文学のネルヴァルも好きでした。そして大長編のプルースト。とにかく知的な憧れがフランスにあった。
そんな頃に出会ったのが、ル・クレジオです。マイナーな作家でしたが、2008年にノーベル文学賞を受賞して世界的に有名になりました。初期の彼の文章は、破壊的で支離滅裂。自我が壊れていく感じに妙に惹かれたのです。卒論も書きました。今は絶版になっているこの「発熱」は<身体的痛み>によって、個が解体され物質的恍惚が得られていくヘンな話です。なんのこっちゃわからないかと思いますが、当時は夢中で読みました。ル・クレジオはその後、寓話的な平易な文体へと移行していきましたが、初期の熱に浮かされたような文章が好きでした。遠く過ぎ去った学生時代の内なる葛藤を象徴する1冊です。
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