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2026年09月17日21:17

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「いちごブロンド」ラオール・ウォルシュ〜ワルツとともに〜

西部劇の印象が強いラオール・ウォルシュ監督だが、1941年製作の本作は、恋愛映画であり、音楽映画でもある。リタ・ヘイワーズが『ギルダ』(1946)で国民的セックス・シンボル女優になる以前、オーソン・ウェルズの妻となり、『上海から来た女』(1947)で悪女を演じる以前に、本作では美しき街の美人娘「いちごブロンド」として登場している。彼女が通ると男たちは口笛を吹き、憧れの的だったバージニア(リタ・ヘイワーズ)は男たちの関心を惹き、颯爽と歩く。口笛も吹けずに彼女に恋していたビフ(ジェームズ・キャグニー)だったが、友人ヒューゴー(ジャック・カーソン)に彼女をアッサリ奪われ、フラれてしまう。バージニアの女友達でもあったエイミー(オリビア・デ・ハビランド)とビフは結婚するのだが、貧乏暮らしで歯医者を目指していた。口も上手く世渡り上手なヒューゴーは社会的に成功し、妻となったバージニアの口添えもあり、ビフはヒューゴーの会社の重役に迎えられる。夕食の席で初めてスパゲティを食べる難しさにみんなが戸惑う場面が笑える。しかし重役になったのに、ビフの仕事は何もない。そんな時、会社の汚職が明るみになり、ビフが罪を着せられ5年間投獄されることになる。そして刑務所に入っている間に、ビフは歯医者の資格を取り、待っていた妻のエイミーと幸せに暮らすのだった。

映画は、妻のエイミーと歯医者の仕事をして暮らすビフが、隣に住む学生とケンカするところから始まる。犬と猫がしょっちゅうケンカするように、ビフは気が短く、街でいつも喧嘩ばかりしていて、目に痣を何度も作る。門の前では楽隊がワルツ『The Band Played On』(『演奏は続く』)を演奏していた。「いちごブロンドとワルツを踊り、演奏は続く」という歌詞がある曲で、映画のテーマ曲だ。ビフにとってはバージニアと踊った思い出の曲であるが、嫌な思い出にも結び付き、曲をやめさせようとして隣の学生とケンカになるのだ。そんな時、市議会議員のヒューゴーから歯の治療を受けたいと電話がある。かつてバージニアを奪われ、罪を着せられた恨みを晴らそうと、抜歯の麻酔に使うガスを多量に与えてヒューゴーを殺すことを考えるビフ。10年前のバージニアとの出会いの場面からの回想が始まるのだ。

街の小さな公園のベンチ、ガス灯の下で、何度も印象的な出会いと愛が描かれる。ヒューゴーはバージニアとデートするために、一緒に来る女友達の相手をビフにさせようと、馬車に乗せられる。ビフはいつもヒューゴーに利用されていた。バージニアとデートができると思ってついてきたビフだったが、ビフの相手は看護師で、女性の人権を主張するちょっと変わった女性エイミーだった。初対面で馬車の馬が、バージニアの帽子の花飾りに食いつく場面が笑いを誘う。盛り上がるヒューゴーとバージニアのデートと、盛り上がらないビフとエイミーのデート。一度はバージニアとデートをしてダンスを踊ったビフだったが、二度目がなかなか出来ない。やっとデートの約束を取り付け、再びやって来た公園のベンチ。しかし、現れたのはエイミーだった。バージニアはヒューゴーと結婚したこと知らされる。傷心のビフはエイミーの優しさに気づき、彼女に心惹かれていく。その後、エイミーと結婚したビフだったが、ヒューゴーに罪を着せられ、刑務所から5年ぶりに出てきた日、再び公園にやってくると、そこにはエイミーが待っていた。3度繰り返される公園のベンチでのエイミーとビフのシーン。

歯医者がビフであることを知らずにやって来たヒューゴーの歯を、麻酔を使わずに引っこ抜いたビフ。ささやかな復讐。ヒューゴーとバージニアの言い争う夫婦関係を見て、「幸せなのはヒューゴーじゃなくて僕の方だ」と実感する。そして『The Band Played On』(『演奏は続く』)の演奏が終わったことで、今度は「前の曲」を演奏してくれと隣りの学生とケンカになる。またも目に痣を作ったビフだったが、エイミーの妊娠を報告を聞いて幸せいっぱいでハッピーエンド。

ワルツの曲とともに、踊るように男と女が出会い、奪い合い、利用され、失恋し、出会い直し、ケンカや復讐があり、再会し、変わらぬ愛を確認する。テンポもよく、幸福な映画だ。


1941年製作/アメリカ
原題または英題:Strawberry Blonde
配給:セントラル映画社

監督:ラオール・ウォルシュ
脚本:ジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン
原作戯曲:ジェームズ・ヘイガン
撮影:ジェームズ・ウォン・ホウ
アソシエイト・プロデューサー:ウィリアム・キャグニー
キャスト:ジェームズ・キャグニー、オリビア・デ・ハビランド、リタ・ヘイワース、アラン・ヘイル、ジャック・カーソン、ジョージ・トビアス、ウナ・オコナー
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