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2026年08月25日17:19

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「地獄への逆襲」フリッツ・ラング〜煮え切らない復讐劇〜

フリッツ・ラングの西部劇。ジェシー・ジェームズの半生を描いた『地獄への道』の続編、1940年のカラー作品。フリッツ・ラング的なテーマである復讐の物語であるが、復讐は自らの手で成し遂げられない。なんともスッキリしない復讐劇だ。

弟ジェシーと共に西部を荒し回っていたフランク・ジェームズ(ヘンリー・フォンダ)は、弟と別れてから別の名前ベン・ウッドソンとなって農夫として働いていた。農園の黒人の使用人ピンキー(アーネスト・ホイットマン)は、「フランク・ジェイムスは死んだ。墓に埋められた」といくら言っても、ベンという別名で呼べずに「フランクさん」と呼んでしまうのが可笑しい。この映画では、「フランクは死んだ」という嘘の情報を流して、世間や敵を欺く策略が何度も実行される。

ある日彼は、弟ジェシーがかつての仲間ボブ・フォード(ジョン・キャラダイン)とその弟に後ろから銃で撃たれて殺されたことを聞く。一緒に働く若き青年クレム(ジャッキー・クーパー)は、フォード兄弟への復讐に向かおうとするが、フランクは「法に裁きを任せる」と言って動こうとしない。しかし、恩赦によってフォード兄弟が絞首刑を免れたと知り、復讐に動き出す。クレムの父は「貧者に法はない」と言っていて、「鉄道会社に農園を奪われ母親を殺された時も、ジェシーが自首した時も、法は不公平だった」とクレムは言う。

フォード兄弟を追いかけるための資金を調達しようと、フランクは鉄道会社の駅の金を奪おうとするが、銃撃戦のさなかで警備員が死んでしまう。フランクはフォード兄弟を追って西へ向かうと、『どうやってジェシーを殺したか』なんていう舞台劇に出ているフォード兄弟を見つけるという奇妙な展開。ジェシー・ジェームズは、南軍のゲリラ部隊に参加し、戦争後の混乱期に強盗団を結成し、銀行や列車を襲い、強盗や人殺しを繰り返した西部アウトローのヒーローだ。銀行や鉄道会社をターゲットにしたのは、「北軍に奪われた財産を取り戻しているだけだ」といった富裕者しか襲わないという「義」があり、伝説になった。ジェシー・ジェームズに関する多くの映画が作られている。そんなジェシー・ジェームズを殺したことが舞台劇になるほど、世間を騒がしたということなのだろう。

フランクたちの馬による追走劇の最中に、フォード兄弟の兄チャールズは崖から落ちて死亡。若くて美しい女性ジャーナリスト、エレノア(ジーン・ティアニー)に、フランク・ジェームズは死んだという記事が書かせ、のちに誤報だと判明した後に、フランクはエレノアと再会。そのときエレノアから、農園の使用人ピンキーが、駅の強盗殺人事件で処刑されると聞く。ピンキーは強盗事件の時は農園にいて、無実だと言うフランク。「無実の命を救うことより、敵討ちが大事なの?」と言われ悩むフランク。結局、ボブ・フォードを追うことを諦め、ピンキーを救うためにフランクは出頭した。

裁判では、強盗事件の時に、フランクが警備員を殺したかどうかが争われるが、弁護士と検事の間に横たわる南北戦争の遺恨が描かれる。北軍の象徴である資本家・鉄道会社や北軍ヤンキー検事と、南軍のフランクに味方する弁護人を引き受けた新聞社のトッド少佐(ヘンリー・ハル)の熱弁。裁判長も南軍だったようだ。結局、陪審員裁判でフランクは無罪になるが、裁判所に現れたボブ・フォードを追いかけて、若き青年クレムが相撃ちで倒れる。倉庫に逃げたボブをフランクが追いかけるが、フランクは銃を撃つことなく、クレムに撃たれた傷でその場で果てる。つまり、フランク・ジェームズは自らの銃でフォード兄弟の復讐を成し遂げることはないのだ。兄は自ら崖から落ち、弟は若き青年クレムが代わりに撃ち殺した。復讐は、法の裁きでもなく、結果として成し遂げられたという、なんとも煮え切らない結末で終わる。


1940年製作/92分/アメリカ
原題または英題:The Return of Frank James
配給:20世紀フォックス極東支社

監督:フリッツ・ラング
脚本:サム・ヘルマン
製作:ダリル・F・ザナック
撮影:ジョージ・バーンズ、ウィリアム・V・スコール
キャスト:ヘンリー・フォンダ、ジーン・ティアニー、ジャッキー・クーパー、ヘンリー・ハル、ジョン・キャラダイン、J・エドワード・ブロムバーグ、ドナルド・ミーク、エディ・コリンズ、ジョージ・バービア、アーネスト・ホイットマン、チャールズ・タネン、ロイド・コリガン、ラッセル・ヒックス、ラッセル・ヒックス、エドワード・マックウェイド、ジョージ・チャンドラー、アービング・ベーコン、フランク・シャノン、バーバラ・ペッパー
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