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2026年05月20日22:16

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「ファイヤーフォックス」クリント・イーストウッド〜東西冷戦時代の破格の戦闘機強奪作戦〜

東西冷戦時代の物語。音速の6倍で飛行し、レーダーに影すら残さないソ連の最新鋭戦闘機ミグ31を、アメリカ空軍の一軍人がモスクワから盗むというとんでもない話。グレイグ・トーマスのベストセラー小説の映画化。

元空軍の優秀なパイロットだったが、ベトナム戦争で精神的なトラウマを抱え退任したミッチェル・ガント(クリント・イーストウッド)のところに、アメリカ軍のヘリがやって来る。ランニングをしていたガントが必死に走って家に戻り、軍の兵士たちの急襲に銃を抱えて待ち構えるのだが、ガントは意識を失ってしまう。ベトナムの少女が炎に包まれるイメージがガントの脳内で繰り返される。イギリス秘密諜報局のケネス・オーブリー(フレディ・ジョーンズ)が、ソ連が最新鋭の戦闘機ミグ31を完成させ、近々政府首脳を前にテスト飛行をするという情報を入手。NATO側がこの情報をもとにミグ31の奪取作戦を展開することになった。そのミグ31を操縦し奪い去る任務をロシア語も堪能で優秀なパイロットだったガントに任せようという依頼だった。暗号名ファイヤーフォックスと名付けられたこの戦闘機は、最高速度マッハ6、アンチ・レーダー・システムを持ち、思考誘導兵器装置を装備するといった驚異的なジェット機で、NATO側がこれに匹敵する戦闘機を開発する場合、最低でも10年以上かかるというのだ。

前半はモスクワのKGBの監視と尋問をかいくぐり、ガントはスパイたちの協力を得ながら、2機のミグ31の戦闘機があるビリアリスクの工場へと侵入するまでが描かれる。夜の橋で協力者に出会った途端に、ガントが成りすますはずだった麻薬密売ビジネスマンを殺してKGBを攪乱する。別の男になることを指示されたガントは地下鉄に乗ってKGBの包囲網をかいくぐろうとする。しかし、トイレで疑われ、フラッシュバックに襲われたガントはKGB局員を殺してしまう過ちを犯す。それでも夜の中で必死で逃げていくサスペンスは見応え十分。ガントをトラックに乗せる協力者ウペンスコイ(ウォーレン・クラーク)は、ファイヤーフォックス設計の中心的科学者で協力者のバラノヴィッチ博士(ナイジェル・ホーソーン)のもとへ彼を送るため、自ら囮となって撃たれてしまう。チェコ侵攻に反対して投獄された妻のことを語り、自分も妻に負けずに戦っているというウベンスコイとの別れ際の一言、「飛行機を頼むぞ」という言葉が重い。みんな命懸けの協力なのだ。格納庫での二号機の爆破騒ぎに乗じて、ガントはミグ31に乗り込むことに成功するが、パラノヴィッチ夫妻など協力者は全員殺されてしまう。前半のこの地上戦が特に面白かった。モスクワの町中シーンはウィーンロケで行なわれたようだ。

後半は、ソ連対空迎撃網をくぐりぬけ、いよいよ米国へ帰還しようとするミグ31の空中戦の追走劇となり、まったく違う映画になる。敵地で燃料補給をどうやってどこで行なうのか、ソ連軍との駆け引き。氷上での潜水艦からの燃料補給。修理を済ませたもう1機のミグ31も追いかけてきてのマッハの世界の空中戦などが特撮映像も駆使して展開される。娯楽サウペンス映画として楽しめる一作だ。


1982年製作/アメリカ
原題または英題:Firefox
配給:ワーナー・ブラザース映画

監督:クリント・イーストウッド
脚本:アレックス・ラスカー、ウェンデル・ウェルマン
原作:クレイグ・トーマス
製作総指揮:フリッツ・マーネイズ
製作:クリント・イーストウッド
撮影:ブルース・サーティーズ
美術:ジョン・グレイスマーク
音楽:モーリス・ジャール
編集:フェリス・ウェブスター、ロン・スパング
特殊効果:ジョン・ダイクストラ
キャスト:クリント・イーストウッド、フレディ・ジョーンズ、デビッド・ハフマン、ウォーレン・クラーク、ロナルド・レイシー、ケネス・コリー、クラウス・レービッチェ、ナイジェル・ホーソーン、ステファン・シュナーベル
☆☆☆3
写真引用(C)Warner Bros. Entertainment Inc.

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