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2026年04月21日11:33

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「遊び」増村保造〜恥ずかしいくらいの青春純愛劇〜

1971年増村保造のカラー作品。以前に見たと思うが、今見ると恥ずかしいくらいの青春純愛映画だ。大門正明と若き関根恵子。関根恵子が瑞々しい肉体を晒して出演。原作は野坂昭如。ヤクザの兄貴に若き蟹江敬三、そして若き平泉征が出ている。

ヤクザの兄貴(蟹江敬三)に若い女(関根恵子)を差し出すはずが、自分(大門正明)が好きになって愛し合う仲になってしまい、二人で逃げる話。ラストはヤクザたちに捕まって二人の悲惨なラストが待っているんだろうなと思って見ていたが、さにあらず。ホテルでお金を使い果たし無一文になった二人が服を脱ぎ捨てて、湿原のような草が生える水辺に舟を浮かべて、穴が開いて水が入ってきて沈みそうになりながらも、どこへ向かうとも知れずに二人で泳いでいくところで終わる。ロマンチックな余韻を残して終わるのだ。

物語はよくある話。関根恵子の家庭は、父親(内田朝雄)がダンプ運転手で人を轢いて失業して酒浸り。賠償金を払いながら母(杉山とく子)は赤い造花を作って内職。姉(小峯美栄子)はカリエスの病気で寝たきり。町工場で働く関根恵子のお金が頼り。母子家庭の大門正明の母(根岸明美)は飲んだくれで、屋台のおでん屋をやっているがうまくいかず、部屋に若い男を引っ張り込んで売春まがいのことをやっている。大門正明はグレて、ヤクザの手下になっているチンピラ。若い女に声をかけて、ヤクザの兄貴に紹介して、風俗店に売り飛ばす仕事に加担している。その目的で若い女子工員の関根恵子に近づく。関根恵子も貧乏な暮らしに疲れて自暴自棄になっていて、チンピラの大門正明についていく。しかし、次第にウブで純情な二人は愛し合うような仲となり、兄貴たちから逃げ出すのだった。

ラストの湿原で、服を脱ぎ捨てて裸になる二人が恥ずかしいくらい清々しい。「死ぬかも知れなんだぜ、俺たち」「いいわよ。あんたと一緒なら。誰もいないわ。あんたと私、二人っきり」「そうだ。二人っきりだ。さぁ、行こうぜ」「うん」・・・。舟を押して泳いでいく二人。後に増村保造が映画化した心中もの、『曽根崎心中』(1978)にも似た純愛映画だ。時代劇の心中ものじゃなくて、現代に設定した純愛ものだから余計にあり得なくて、恥ずかしいんだろう。


1971年製作/89分/日本
配給:ダイニチ映配

監督:増村保造
脚本:今子正義、伊藤昌洋
脚色:増村保造
原作:野坂昭如
企画:藤井浩明
撮影:小林節雄
美術:間野重雄
音楽:渡辺岳夫
録音:須田武雄
照明:渡辺長治
編集:中静達治
キャスト:高橋惠子、大門正明、蟹江敬三、内田朝雄、杉山とく子、小峯美栄子、根岸明美、平泉征、甲斐弘子、仲村隆、笠原玲子、山名佐知江、高橋由美子、三笠すみれ、北川マキ、稲妻竜二
☆☆☆3
写真引用コピーライト1971 KADOKAWA
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