mixiユーザー(id:3912568)

2026年02月26日21:44

51 view

「ウィンチェスター銃'73」アンソニー・マン〜上と下の対決の構図〜

アンソニー・マン監督は1940年代後半にフィルム・ノワール作品をヒットさせた後、1950年代にジェ−ムス・スチュアートとコンビを組んで西部劇のヒット作を連発した。その最初が本作『ウィンチェスター銃'73』(1950)であり、『怒りの河』(1952)、『裸の拍車』(1953)、『遠い国』(1954)、『ララミーから来た男』(1955)などの5本の西部劇であり、その他の作品を含めるとジェームス・スチュアートとのコンビは8本に及ぶ。

この「Winchester '73」はタイトルにあるとおり、当時最高の銃と言われたウィンチェスター銃をめぐる物語だ。ウィンチェスター銃が町の射撃コンテストの優勝賞品にされるところから始まり、腕利きのガンマンたちが町に集まってくる。そして、そのウィンチェスター銃がいろんな男たちの手に渡っていくのを描いた作品であるのがユニークなところだ。町にやって来たリン・マカダム(ジェームズ・スチュアート)はダッチ・ヘンリー・ブラウン(スティーブン・マクナリー)と射撃コンテストの優勝を最後まで争う。もともと因縁の相手であることが、酒場での出会いのシーンから描かれており、映画はこの2人の対決を中心に展開していく。優勝したリンの手元から、ダッチは無理矢理ウィンチェスター銃を奪って町から逃亡する。リンは相棒のジョニー・ウィルスン(ミラード・ミッチェル)とともに、ダッチたち一行を追いかける。ところがウィンチェスター銃は、ダッチがポーカーで負けたことから、銃を売っている武器商の男の手に渡り、その男が先住民族の酋長に銃を売ろうとしたところで最新のウィンスター銃を酋長に巻き上げられる。さらに先住民族に囲まれた騎兵隊に合流したリンとジョニー、そして酒場のダンサーでピアノ弾きのローラ(シェリー・ウィンタース)と一緒に行動しているスティーヴ(チャールズ・ドレイク)も戦いに加わり、なんとか先住民族たちとの争いに勝利する。そして酋長が持っていた銃はスティーヴの手に渡る。さらにスティーヴは無法者ワコ・キッド(ダン・デュリエ)との争いで殺され、銃を奪ったキッドはローラをさらった上、ダッチと共に町の銀行を襲撃する。この襲撃は失敗に終わり、キッドは殺されて銃は再びダッチの手に戻った。最後は、ダッチとリンの因縁の対決。どうやら二人は兄弟で、同じ父親から銃の撃ち方を教えてもらい、ダッチは銃を強盗や人殺しのために使うようになってしまった。そして父親までも銃で背中から撃ったのだった。そんなダッチを許せないリンは、ダッチを追いかけ続けていたのだった。

ラストの兄弟の因縁対決は、アンソニー・マン監督が度々対決の構図として使っている上下の関係、岩場の上と下で行なわれる。『裸の拍車』でも岩場の上と下での対決が最初と最後の2回繰り返された。また戦争映画『最前線』(1956)でも歩兵部隊の最後の戦いの敵は岩場の上にいて、部隊は下から昇っていって攻略するのだった。アンソニー・マンの異色作『真昼の欲情』(1958)でも、金を探すために掘った穴の下と上の上下関係の構図が使われていた。本作では、岩場の上から下にいるリンを狙うダッチが、「親父の教えを忘れたか。敵の下になるなと」と呼びかける。戦いの原則として上から下を狙う方が有利だと言うことだ。しかし、アンソニー・マンはその不利な形勢である下から、知恵を使って上に昇り逆転する構図を何度も描いてきたのだ。その上下で対決する位置関係が初期の作品でも確認できたのが面白かった。


1950年製作/アメリカ
原題または英題:Winchester '73
配給:日本ユニヴァーサル

監督:アンソニー・マン
脚本:ロバート・L・リチャーズ、ボーデン・チェイス
製作:アーロン・ローゼンバーグ
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
美術:ベルナルド・ヘルッブルン、ネイザン・ジュラン
音楽監督:ジョセフ・ガーシェンソン
録音:レスリー・I・カレー、リチャード・デウィーズ
編集:エドワード・カーティス
キャスト:ジェームズ・スチュワート、シェリー・ウィンタース、ダン・デュリエ、スティーブン・マクナリー、ミラード・ミッチェル、チャールズ・ドレイク、ジョン・マッキンタイア、ウィル・ギア、ジェイ・C・フリッペン、ロック・ハドソン、ジョン・アレクサンダー、スティーブ・ブロディ、ジェームズ・ミリカン、アブナー・バイバーマン、ジェームズ・ベスト
写真引用コピーライト ブレーントラスト
☆☆☆3
0 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年02月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728