似たようなタイトルの映画でサミュエル・フラーの傑作『最前線物語』(1980)があるが、こちらは1956年のアンソニー・マン監督のモノクロ映画。少人数の部隊が最前線で孤立するという意味では似たような映画だが、こちらもジリジリとした緊張感がある戦争映画である。
1950年の朝鮮戦線。北朝鮮軍に抗し切れず、米軍は釜山へ後退を続けていた。ナコトン河近くにいた、マーク・ベンスン(ロバート・ライアン)中尉指揮下の歩兵小隊も15哩南方の456高地に向って後退を開始したが、輸送車を爆破されて、兵隊達は武器を背負って進まなければならなかった。本隊と何度も無線で連絡を取ろうとするが応答がない。敵の姿は見えない。不気味な静けさの中で、歩兵小隊は456高地を目指す。途中、1台のジープを見つけてベンスンが無理に停車させると、中には口がきけなくなったショック症の大佐(ロバート・キース)とモンタナ軍曹(アルド・レイ)が乗っていた。釜山の病院まで行こうとしていたジープに武器を積み込み、一緒に高地に向かう。モンタナ軍曹は、ベンスン中尉の言うことをきかず、捕虜にしようとした敵を撃ち殺してしまう。しかし、敵は帽子の中に拳銃を隠し持っていて、モンタナ軍曹の直感力は正しかった。歩兵小隊の名前が呼ばれて次々と砲撃の中を走る場面、地雷原の林を静かに慎重に進む場面、次々と兵士たちが死んでいく中で、ようやく高地の麓に到着。丘の上の兵隊たちが米兵だと思っていたら、北朝鮮兵士だった。疑わしい奴は殺すべきというモンタナ軍曹の判断で、射殺した。「逆光で顔も分からなかったのに・・・。味方だったらどうするんだ?」と自分の指示を聞かないモンタナ軍曹に不安を感じたベンスン中尉は、「大佐を連れて帰れ」とモンタナ軍曹に言う。「戦争ではお前みたいな奴が勝つんだ・・・」と呟き、倒れた北朝鮮兵士のポケットから、家族写真を出して見る。本隊と連絡が取れないまま、残された12名でどうやって戦うのか?中尉も考えられなくなる。そして敵の砲撃拠点に向けて決死の最後の攻撃を仕掛けていく。
最後は、大佐が正気に戻って戦闘に加わるが死んでしまい、小隊はほぼ全滅。敵も倒したが、生き残ったのはモンタナ軍曹とベンスン中尉、そしてリオダン(フィリップ・パイン)の3人だけだった。そしてやっと本隊がやってきた。最後にベンスン中尉が亡くなった兵士たちの名前を呼び上げて叙勲を授ける。
歩兵部隊が見えない敵と戦う緊張感。本隊に見放された孤立感がなんともヒリヒリする。冷静な判断などなんの役にも立たない理不尽な狂気が支配する最前線の戦場が描かれている。
1956年製作/アメリカ
原題または英題:Men in War
配給:セレクト=松竹
監督:アンソニー・マン
脚本:フィリップ・ヨーダン
原作:バン・バン・プラーグ
製作:シドニー・ハーモン
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:エルマー・バーンスタイン
キャスト:ロバート・ライアン、アルド・レイ、ロバート・キース、フィリップ・パイン、ビック・モロー、ジェームズ・エドワーズ、アダム・ケネディ、スコット・マーロウ
☆☆☆3
ログインしてコメントを確認・投稿する