ジーン・ケリーが主演と共同監督を受け持った1949年のミュージカル映画。スタンリー・ドーネンは、振付師・ダンサーとしてキャリアをスタートさせ、ジーン・ケリーと共同で『踊る大紐育』(1949)、『雨に唄えば』(1952)を監督し、大ヒットに導いた。そのほかオードリー・ヘプバーンの『パリの恋人』、『シャレード』なども監督している。
まさに音楽とダンスのオンパレードだ。ストーリーなどあってないようなもの。ひたすらステップを踏んで踊りまくる映画だ。24時間の休暇をもらった3人の水兵ゲイビイ(ジーン・ケリー)チップ(フランク・シナトラ)オジイ(ジュールス・マンシュイン)は意気揚々とニューヨーク見物に繰り出す。地下鉄に乗ると、ミス地下鉄のポスターを見て、ゲイビイがポスターの女性アイヴィ(ヴエラ=エレン)に関心を持ち、偶然、改札口での撮影で一緒に写真を撮ると、ますます夢中になって彼女を追いかける。ケイビイのためにアイヴィ探しを始めた3人の水兵だったが、博物館では、オジイが人類学の学者クレア(アン・ミラア)に惚れられ、チップはタクシーの女性運転手ブランヒルド(ベティ・ガアレット)から惚れられる。ミス地下鉄のアイヴィ探しと恋物語を軸としながら、3組のカップルの物語が音楽とダンスで進行していく。会った途端に意気投合するかのように、一緒にタップを踏み華麗なダンスを踊り、すぐ惚れ合う関係になってキスまでしてしまうスピード展開。3人の女性たちは、赤・黄色・緑の衣装をそれぞれが纏い、3人の白い水兵服の男たちと絡んでいく。カラフルな衣装と軽やかなステップで魅了する。最初、緑のドレスで博物館で踊ったクレアは、エンパイア・ステートビルの展望台では赤に変化。逆に赤のドレスでゲイビイと踊ったアイヴィは、展望台で緑に変化。女性3人が揃うと必ず赤・黄・緑の3色となっている。
ニューヨークの都会育ちのミス地下鉄と夢のスターのように思われていたアイヴィは、下町の見世物小屋の踊り子で、ゲイビイと同郷の田舎娘だったことが明らかにされるが、ゲイビイはお構いなし。博物館で恐竜の標本を壊したことで、オジイは警察から追われ、タクシーとパトカーの追かけっこなどのアクションを入れながら、遊園地のショーでは女装するドタバタ展開もありつつ、3人それぞれに恋人ができて、楽しい一夜を過ごして朝になって軍艦に戻っていくお話。まさに一夜の夢。
ジーン・ケリーもフランク・シナトラも若い。カメラはあまりカットを割らず、踊りの動きをじっくり見せている。ハリウッドのスタジオが楽しい夢物語を見せてくれた踊りの躍動感に満ちたミュージカル映画だ。
1949年製作/アメリカ
原題または英題:On the Town
配給:セントラル
監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
脚色:アドルフ・グリーン、ベティ・コムデン
原作戯曲:アドルフ・グリーン、ベティ・コムデン
原案:ジェローム・ロビンス
製作:アーサー・フリード
撮影:ハロルド・ロッソン
美術:セドリック・ギボンズ ジャック・マーティン・スミス
音楽監督:レニー・ヘイトン
音楽:レナード・バーンスタイン
キャスト:ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、ジュールス・マンシン、ベラ=エレン、ベティ・ギャレット、アン・ミラー、フローレンス・ベイツ、アリス・ピアス
☆☆☆3
写真引用

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