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2025年12月14日21:19

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「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1946)テイ・ガーネット〜女と出会い運命を狂わされる〜

1934年に出版されたジェームズ・M・ケインの小説の映画化は4度されているそうだ。最初は1939年。ピェール・シュナール監督で、フェルナン・グラベ、コリンヌ・リュシエール、ミッシェル・シモン主演で 「LE DERNIER TOURNANT(最後の曲がり角)」というタイトルで舞台をフランスのパパスに移されている。2回目が1943年、ルキノ・ヴィスコンティ監督。舞台はイタリアで彼の初監督作品である。出演はマッシモ・ジロッティとクララ・カラマイ。そして3作目が1946年、テイ・ガーネット監督。ジョン・ガーフィールド、ラナ・ターナー主演で、日本では劇場公開されなかった。私が見ていたのは、4作目の1981年のカラー作品。ボブ・ラフェルソン監督で、ジャック・ニコルソン、ジェシカ・ラング、マイケル・ラーナーなどが出演しているものだ。ジャック・ニコルソンとジェシカ・ラングの暴力的な性描写が話題になり印象に残っている。

悪女もののフィルム・ノワールとしては有名な作品と言えるだろう。男と女の欲望が交錯する殺人ミステリーである。郵便配達員は出てこないが、原作者のケインは、郵便配達員がいつも二度ベルを鳴らす話を聞いて重要な出来事がすべて二度ずつ起きていることから本作のタイトルに相応しいと閃いたのだと答えたそうだ。

アメリカのカリフォルニア。放浪癖のある男フランク・チェンバース(ジョン・ガーフィールド)は、ニック(セシル・ケラウェイ)が経営するガソリン・スタンド兼レストランで働き始めるが、それは店主の美しい妻コーラ(ラナ・ターナー)に惹かれたためであった。金髪で白い衣装で登場するラナ・ターナーは、いかにもレストランに場違いな美女であり、年上の冴えない夫ニックと不釣り合いな関係だ。コーラは強引に迫るフランクを拒否していたが、元々ニックとの結婚は愛のない資産目当ての結婚だったため、次第にフランクを受け入れるようになる。夜の海に二人で入る場面が何度も繰り返される。ニックが留守している間に、二人は駆け落ちを試みるが、コーラは裕福な暮らしを捨てることが出来ずに、引き返してしまう。そして二人で夫のニック殺害を秘かに計画するのだ。

この映画は二人が共謀して夫を殺すまでの前半のサスペンスは結構面白いのだが、裁判以降の後半がダラダラと長い。殺害しようとする瞬間の梯子を昇る猫、警官が現われ、猫が感電しての停電。暗いレストランでの二人の秘かな共謀はゾクゾクする。ハリウッドは1930年から1968年までヘイズ・コードがあり、直接的な暴力描写は描けなかった。コーラが夫を殴りつける殺害未遂シーンも、二度目の車の中でのフランクによる殺害シーンも映像では映さない。ニックは泥酔による車の事故死に見せかけて殺され、車の転落とともに負傷したフランクだったが、ニック殺しの疑いで二人の裁判が開かれる。検事や弁護士などのやり取りなどもあり、執行猶予になった二人。店を改装して繁盛したが、まわりから二人は疑われ続け、見せかけの結婚や弁護士の部下によるかつての供述書による恐喝など、展開はいろいろとあるのだが映画的にはあまり面白くない。コーラが母の葬儀のため実家に帰っている間に、フランクは別の女と浮気をするが、そんな男女の色恋の変化もあまり描かれていない。険悪な関係になったフランクとコーラが、再び夜の海に入り、沖へと泳いでいく。夜の海の中での二人のやり取りがちょっと面白いが、結局は交通事故でコーラは死んでしまい、フランクはコーラ殺しで告訴される。愛するコーラは殺していないと無実を訴えたフランクだったが、コーラのメモが見つかり、最初の夫のニック殺しのことがバレてしまうのだった。

二度繰り返されるのが面白さでもあるのだが、映画としてはパッとしない。この映画は、欲望にまみれた悪女ぶりを演じるラナ・ターナーと翻弄されるジョン・ガーフィールドの二人の描き方次第でもあるのだろうが、欲望そのものがヘイズ・コードであまり描けない中での工夫がもの足りなかった。


1946年製作/113分/アメリカ
原題または英題:The Postman Always Rings Twice

監督:テイ・ガーネット
製作:ケイリー・ウィルソン
原作:ジェームズ・M・ケイン
脚本:ハリー・ラスキン、ニーベン・ブッシュ
撮影:シドニー・ワグナー
編集:ジョージ・ホワイト
音楽:ジョージ・バスマン
キャスト:ジョン・ガーフィールド、ラナ・ターナー、セシル・ケラウェイ
写真引用コピーライト1946 Turner Entertainment Co. All rights reserved.
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