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2025年10月31日21:37

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「モーガンズ・クリークの奇跡」プレストン・スタージェス〜ハチャメチャで強引なコメディのオチ〜

『サリヴアンの旅』(1941)に続いてプレストン・スタージェスのスクリューボール・コメディを見た。これもかなりメチャクチャなドタバタ・コメディだ。 プレストン・スタージェスは脚本家から映画監督になって最初に成功した人物と言われている。演劇の劇作家からハリウッドに進出して1930年代は映画の脚本家として活躍。そして1941年『偉大なるマッギンティ』で監督デビューし、『レディ・イヴ 』(1941)、『サリヴァンの旅』(1941)、『パームビーチ・ストーリー(結婚五年目)』(1942)などを監督。ジョン・ヒューストン、ビリー・ワイルダー、ジョセフ・L・マンキーウィッツといった脚本家出身の映画監督が世に出ることとなったのは、プレストン・スタージェスの成功があったからと言われている。

『サリヴァンの旅』でも最後の展開が強引にオチをつけていく感じがしたが、本作もまた無理矢理な展開ですべて解決して終わりにしている。それが無茶苦茶なのだ。現実的な辻褄というものを無視しているような勢いがある。そこがスクリューボール・コメディなのかもしれないが、やや呆気にとられて見終わった感じもある。コメディは面白ければなんでもありなんだなというい感じ。

第二次世界大戦中の1942年から1943年にかけて製作された作品であり、軍隊に入隊して出兵する兵隊たちの出征祝いパーティーが描かれる。日本の陰鬱な出征祝いとはエライ違いだ。徹底して明るく華やかだ。「モーガンズ・クリーク」とはアメリカ中西部の架空の田舎町。その小さな田舎町で、何やら大変な奇跡的なことが起きたという知らせが、地方記者から知事に電話が入るところから始まる。それがなんだか、分からない。州知事もすぐに駆けつけると言い、国中の人たちがやって来るような騒ぎになると言うのだ。何が起きたのか?と観客も興味を煽られ、物語が始まっていく・・・。

町の巡査の娘トゥルーディ・コッケンロッカー(ベティ・ハットン)はなかなかお茶目な女性だ。音楽店で男性の低音の声のレコードを口パクで真似しているトゥールディは、出征する兵隊たちに今夜のダンスパーティーに誘われる。彼女に思いを寄せるノーヴァル・ジョーンズ(エディ・ブラッケン)は、彼女を映画3本立てに誘うがあっさり断わられる。しかし、厳格な父コッケンロッカー(ウイリアム・デマリスト)は娘が出征パーティーへ行くことを許さない。ルンルン気分で支度をしていたトゥルーディは、ノーヴァルと映画に行くことにして家を出て、パーティーへ出かけていくのだった。「戦地へ向かう兵隊たちのために」という愛国心がパーティーへ行く彼女の動機となっている。ノーヴァルという男は自分が兵隊に入隊できないコンプレックスを抱えている。兵隊たちと踊りまくって、楽しみまくったトゥルーディは、朝8時に映画館前で待っていたノーヴァルのところ戻って来るが、お酒を飲んで酔っ払い、昨夜のことをほとんど覚えていない。しかし、戦地へ行く一人の兵隊と偽名を使って結婚式を挙げて、子供まで身籠もってしまったのだった。しかも相手の名前さえ覚えていないトゥルーディ。なんともしょうがない女の子なのだが、気が弱くて優しいノーヴァルは、彼女のために父親に怒られながら、彼女の父親になろうとするのだが・・・。

重婚罪になるから、偽の結婚証明書を入手しようと兵隊に変装して偽名で結婚式を挙げる二人だったが、ノーヴァルが本名でサインをしてバレてしまい、大騒動に発展。「窃盗」「器物破損」「文書偽造」「重婚罪」で牢屋に入れられてしまう怒濤の展開になり、事情を知った父親が留置されたノーヴァルを逃がしてやる手助けをして、さらに混乱が深まっていく。

厳格な父親が娘を蹴飛ばそうとしてコケたり、ノーヴァルがプロポーズした途端に手すりが壊れて二人で庭に落っこちたり、木の枝に頭をぶつけたり、ダンスパ−ティーでミラーボールに頭をぶつけたり、木から落ちたり・・・と、とにかくドタバタがあちこちで繰り広げられる。逃亡してトゥルーディの本当の父親を探しに行ったノーヴァルだが、8ヶ月後のクリスマスの夜に町に戻ってきて再び逮捕。幼い頃からずっと自分のことを思ってくれていたノーヴァルの気持ちを知り、彼への愛が芽生えていたトゥルーディ。みんなの前ですべて本当のことを告げて、ノーヴァルの罪を晴らそうとしたときに、陣痛が来て病院へ。そしてなんと双子ならぬ6つ子の男の子を産んで、世界的な大きな話題となる。知らせを受けた知事も「細かいことはいいんだ」と、ノーヴァルの起訴を取り下げさせて無罪で釈放。ノーヴァルとトゥルーディの結婚も認められ、大佐に任命され軍服を着たノーヴァルは、いきなり6つ子の父親になったことを知って仰天するという結末。すべてがめでたしめでたしと言う強引なオチだ。ムッソリーニは驚いて辞任するし、ヒットラーも子供の数え直しを要求、まさにパロディとして戦争を笑いに変えている。6つ子誕生という世界的ニュースで、すべてが解決。そんなバカな?という展開だが、その栄誉でみんなが狂喜するという戦争中ならではのコメディということか。全員が男の子というのも、富国強兵、みな兵隊に・・・?ということなのだろうか。これもまた奇妙な展開のハチャメチャ・コメディだ。


製作:1944年 パラマウント・アメリカ
原題:The Miracle of Morgan's Creek
上映時間:99分

監督・製作・脚本:プレストン・スタージェス
撮影:ジョン・F・サイツ
音楽:レオ・シューケン、チャールズ・ブラッドショウ
キャスト:エディ・ブラッケン、ベティ・ハットン、ウィリアム・デマレスト、ダイアナ・リン、ブライアン・ドンレヴィ、エイキム・タミロフ、ポーター・ホール、アルミラ・セッションズ、ジミー・コンリン、チェスター・コンクリン
写真引用コピーライト ブレーントラスト
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