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2025年09月30日21:03

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「狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒濤篇」三隅研次〜時代の変わり目の剣客たち〜

三隅研次は、勝新太郎の『座頭市』シリーズ、市川雷蔵主演の「剣」三部作(『斬る』『剣』『剣鬼』)、「眠狂四郎」シリーズ、若山富三郎主役の映画版『子連れ狼』シリーズなどの時代劇の映画監督として有名だ。全盛時の大映京都撮影所を支える主力監督としてプログラムピクチャーを撮り続け、大映倒産後はテレビシリーズなども手がける。初の松竹大船撮影所で監督した本作『狼よ落日を斬れ』が遺作となった。

激動の幕末維新を背景に、血みどろで生きぬいた剣客たちの鮮烈な生きざまを描いた長編時代劇。原作は池波正太郎の『その男』。脚本は国弘威雄。撮影は小杉正雄。音楽は『ゴジラ』の伊福部昭。立場を超えて友情を確かめ合った剣客たちのそれぞれの戦いと死にざま。三隅研次の映像センスが切れ味鋭く感じられる映画というよりも、豪華な役者たちのそれぞれのキャラクターを立てながら、激動の変わりゆく時代を描いた作品。

池田屋騒動から始まる。京都では新撰組の近藤勇、沖田総司らが池田屋で尊王攘夷派の志士を次々と殺していった。血だらけの死体の山。血なまぐさい時代である。荒くれ者の新撰組の者たちをじっと見つめる男・杉虎之助(高橋英樹)。虎之助は御家人の総領として江戸に生まれたが、病弱で後継ぎは無理だと後妻に言われ、川に飛び込んで自殺を図るが、剣客の池本茂兵衛(田村高廣)に助けられ父親代わりに育てられる。そして無外流の実戦的な剣術使いとなった。

江戸屈指の心形刀流伊庭道場の後継ぎ、伊庭八郎(近藤正臣)、薩摩の中村半次郎(緒形拳)、新撰組の沖田総司(西郷輝彦)、そして杉虎之助(高橋英樹)の4人は京都で出会い意気投合する。しかし時代が動き出し、それぞれの立場は敵対する関係になっていく。虎之助の恩師・池本茂兵衛(田村高廣)は幕府の密偵で薩摩藩を探索する立場、その茂兵衛のそばにいる隠密の礼子(松坂慶子)と虎之助との間には恋心が芽生える。祇園祭の夜、恩師・茂兵衛が薩摩藩に襲われ、死の間際に虎之助は「仇討ちなど考えるな。お前だけは今の時の流れに巻き込まれず、次の世の中を見つめてくれ」と言われる。鳥羽伏見の戦いで、伊庭八郎、沖田総司ら幕府軍は、中村半次郎らの官軍に破れた。そして礼子と二人で江戸で暮らし始めた虎之助。そこに伊庭八郎がやって来て、上野の彰義隊に加わり幕臣として最後の一戦を交えようと誘うが、虎之助は断わる。上野の戦いは幕臣側の惨敗に終わり、傷ついた八郎の腕を切り落として助けた虎之助だったが、再び八郎は死に場所を求めて函館へ向かった。沖田総司は胸の病で死んだ。幕臣の残党狩りを続ける薩摩藩士たちに礼子(松坂慶子)は殺され、その仕返しはしたものの虎之助は刀を捨てる。

明治の時代になり、陸軍少将に出世した桐野利秋こと中村半次郎(緒形拳)が虎之助を訪ねてくる。虎之助は断髪し、散髪屋の仕事をしていた。二人の友情は復活したが、恩師の茂兵衛を最後に斬ったのは、半次郎だとわかり、西南戦争のために鹿児島に戻った半次郎と虎之助は再び剣で対決する。しかし、二人の剣は宙を舞い決着はつかず、二人は殺し合うことを止める。そして江戸に戻った虎之助のもとに、西南戦争で敗れた薩摩の西郷隆盛の死とともに桐野利秋の死が号外で伝えられた。

橋が何度も登場し、人生の大きな分かれ目の場所として描かれる。勤王・佐幕派の血なまぐさい抗争、そして仇討ち。刀で殺し合う時代から、明治になって刀を捨てる時代へ。剣で身を立てた男たちのそれぞれの末路が描かれた。


1974年製作/159分/日本
配給:松竹

監督:三隅研次
脚本:国弘威雄
原作:池波正太郎
製作:三嶋与四治
撮影:小杉正雄
美術:梅田千代夫
音楽:伊福部昭
録音:小林英男
照明:三浦礼
編集:杉原よ志
キャスト:高橋英樹、緒形拳、近藤正臣、西郷輝彦、田村高廣、佐野浅夫、松坂慶子、太地喜和子、峰岸徹、藤岡重慶、阿彌周子、坂上二郎、和崎俊哉、神太郎、福田豊土、今井健二、内藤武敏、園田健二、今井健太郎、青木千里、谷口香、山本幸栄、辰巳柳太郎
☆☆☆3
写真引用コピーライト1974 松竹株式会社

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