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2025年03月04日16:05

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攻めのドラマ『御上先生』がアッパレ!冬ドラマが佳境に突入

◆『御上先生』
冬ドラマの中でひときわ異彩を放っているのが松坂桃李主演のTBS日曜劇場「御上先生」だ。 東大卒のエリート文科省官僚の御上が日本の教育のあり方を変えようと生徒たちと奮闘する物語だ。脚本家の詩森ろばの力が大きく貢献している問題作だ。

自ら教壇に立ちながら、制度を作る側の官僚と政治家、そして学校側のそれぞれの思惑と対立しつつ、生徒とともに一つ一つの問題に立ち向かっていく姿が描かれている。
最初、クールに生徒たちと向き合っていた官僚教師の御上は、エリート校に赴任してきて「君たち、自分のことエリートだと思ってる?」と挑発し、
「 高い学歴を持ち、それにふさわしい社会的地位や収入のある人間のことだ
と思っているけれど、そんなものはエリートなんかじゃない!ただの
『上級国民予備軍』だ」と言い放つのだ。

エリートの本当の意味は「神に選ばれた人」という意味だ。
「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」という言葉がある。
財力、権力、社会的地位の保持には責任が伴う。 身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという意味だ。
御上先生は、「普通の人間なら負けてしまうような欲やエゴに打ち勝てる」
のがエリートであり、「自分の利益のためではなく、他者や物事のために
尽くせる人」のこと。そして「真のエリートの寄り添うべき他者とは、
つまり弱者のことだ」と新聞記者志望の生徒の神崎 (奥平大兼 )に語る。「記者クラブでの情報を鵜呑みにして政治家の機嫌を取るだけの御用記者も
先生の不倫を取り上げるゴシップ記者」も同じようなものだと言う。メディアの責任と覚悟。それはそのまま、現在の報道への批評にもなっている。

前半は新聞記者志望の神崎と御上先生の対立を軸としながら、神崎の先生のゴシップ記事が、 「バタフライエフェクト」のように、国家公務員総合職
試験での殺人事件と繋がっていくというストーリー。
不倫報道で辞めさせられた常盤貴子とその娘、堀田真由が起こした殺人事件に神崎という生徒が向き合っていく。

さらに、御上先生の兄が学生時代に起こした自殺事件が、御上先生の過去のトラウマとして明らかになり、その兄のことが教育問題に取り組むキッカケになったことも明かされていく。

「パーソナル イズ ポリティカル」 という言葉を手掛かりにしながら、
生徒一人一人の問題を「政治的な問題」として教室で共有し、生徒たち自らが考えることの大切さを描く。「この学校の生徒たち、優秀過ぎるだろう!」というツッコミは置いといて、今の教育関係者、若い人たちに是非
見てもらいたいドラマだ。

そこで描かれたのは「教科書検定問題」からの文科省の画一的教育についての議論であり、「生理の貧困」という相対的貧困、格差社会と教育の問題だ。かなりラジカルに現代の社会的問題を取り上げつつ、「自分たちで考える力を持つこと」の重要さをドラマを通して訴え続けている。
そこにサスペンス的要素の味付けが加えられているのだ。
政治家、文科省、学校側の不正などの癒着が絡んでいく。

◆『TRUE COLORS』
「心の色」を記憶に刻めと、視覚異常、視覚障害の女性カメラマンの人生を描いた『TRUE COLORS』は、徹底して美しい空と海、そして大地、その美しい色合いを描いたドラマだった。倉科カナ、毎熊克哉、 滝藤 賢一、加藤雅也などの好演もあって、それぞれが自分の「心の色」を持てばいいのだと描いた心地よいドラマになっていた。

◆その他
未来人まで出てきてどう収拾するのか?楽しみな『ホットスポット』 、
三上博史が登場して俄然面白くなってきた『東京サラダボウル』、
登場人物が多様で展開に目が離せない『クジャクのダンス、誰が見た?』、そしてラジオドラマのように「声」のドラマとして、映像を想像させる面白さがある『119 エマージェンシーコール』など、ラストに向って冬ドラマの楽しみは続く。
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