TITANE/チタン

TITANE/チタンおもしろかった。よく分からなかったけれど、 ちょっと表象しすぎな寓意にも感じられる。クロネンだけではなくバンプしバウンドするハイドロ風カーセックスはカーペンターはクリスティーンな感じもある。クロネンはクラッシュは嗜好の賜物だけれど、本作は異常の賜物（クラッシュの方が、寓意ではなくヒトを描いているからおもしろい）。岩井俊二や園子温の描くジャポンだけではなく、行き場のない怒りや辛さはお仏蘭西にも描かれるのだな、と主人公を見ながら思う、も、収容所に入れられたやせ細ったかのような容姿やヘドロのような血や殺しまくりやあれこれ、キャピタリズムやCO2やリバティ或いはヒトの歴史など現代病をクルマとかけてボディホラーと解くかのように、罪と苦痛は持ち続けられる。贖罪である。バスに入った主人公が父性がいる場所に再び戻るのは、ダミ声若人男子集団と淫靡な目配せする女性など、もはや汚れた世間には戻りたくないものがあるからかな。終盤に向かいダンダンと淫靡なダンスも含めた宗教音楽は昇りつめられ罪と苦痛は持ち続けられ、神と人間の寓意、やはり欧羅巴は未だクリスチャン的センスは根強く途絶えることはないのだな、となる。