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2018年08月29日21:19

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友の騒きに慰もる−漫葉集(0007)

【訓読】
「ますらをは友の騒きに慰もる
心もあらむ我れぞ苦しき」(2571)
【原文】
「大夫波 友之驂尓 名草溢 心毛将有 我衣苦寸」
【訳】
「殿方は友とのつきあいに興じて憂いの晴れることもありましょう。けれど、女の私はそれもできなくて苦しくてなりません。」(巻第十一)

「訓読」と「訳」は、伊藤博 訳注『新版 万葉集(三)』(角川文庫・2009年)より。
(歌番号は旧「国歌大観」番号による)

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久しく「万葉集」から離れていたような気がする。
日記で最後に取り上げたのが2013年だから、5年ほど放っておいたことになる。もちろん、時々に拾い読みはしていたのだが。その間、どちらかというと平安・鎌倉期の勅撰集や私家集などに興味を持っていた。
そうした中で、鎌倉期の歌人でありながら「万葉風」と評される鎌倉右大臣(源実朝)の家集「金槐和歌集」などを読んでいて、あらためて万葉集に興味を持ったりしている。

万葉集は、時代が古いだけに、言葉の意味が分かりにくいこともある。「難訓」と言って、専門家の中でも解釈が分かれていたり、ほとんど読解不能とされている部分もあったりする。最近になって、万葉仮名で書かれている「原文」を読んでみるようになって、そんなことに気が付いたりした。
しかし、読み手の社会的な階層が広く庶民的な歌もあり、また技巧に凝らず率直な歌などもあり、その意味では分かり易い歌も少なくない。

上に引用したのは、女性の生活的な実感から出た歌だろう。
飲み会があって酔って陽気になって帰ってきたサラリーマンの夫を迎える妻の心境だと言えば、現代にも通じる歌だろう。当時は女性どうしの「井戸端会議」みたいなものは無かったのだろうか?なんてことを思ったりもする。


とりあえず、巻十一、巻十二あたりから万葉集を読み直してみようかと思っている。

■漫葉集-萬葉集に関する日記の目次
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