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2015年08月22日21:52

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「天」読了-神皇正統記(01)

『神皇正統記』を読んでいる。なかなか面白い。
「天」「地」「人」の三巻からなるが、まず第二十九代の宣化天皇までの「天」の巻を読み終わった。
ここまで読んで、これが列伝のような形式であるにもかかわらず、「史書」ではなく「史論」であることは理解できた。
僕は残念ながら『日本書紀』は読んでおらず、『古事記』との比較しかできないが、正統記には論評の部分が少なくない。
神道を中心に据えながらも、仏教、儒教との関わりも配慮しているし、ユニークな史論だ。
特に面白いのが「三種の神器」に関する説明なのだけれど、これについては日を改めて記すことにする。
かつて、『古事記』のことを「性と暴力(sex and violence)の書」と呼んだ人がいたけれど、それは、この正統記の中にも表れている。「天」の巻を読んで、代々の天皇たちの徳と欲望のダイナミックな動きをみせつけられた。皇子兄弟が権力(皇位)を譲り合うことがある一方で(第十七代、仁徳天皇)、皇位をめぐる皇族内の抗争もある。暴力の陰に男と女の関係があることもある(第二十一代、安康天皇)。
史実について、正統記は主に『日本書紀』と『古語拾遺』に依拠しているようだ。僕は残念ながらいずれも読んでいないが、正統記の作者が何を採り何を採らなかったかが分かれば、その史観はより明瞭になるだろう。『古語拾遺』は分量も多くないし手元にあるので、いずれ読んでみたい。

■神皇正統記 - アンサイクロペディア
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E7%A5%9E%E7%9A%87%E6%AD%A3%E7%B5%B1%E8%A8%98
「神皇正統記(じんのうしょうとうき)とは、北畠親房が後醍醐天皇にこき使われた受難の日々を暴露本と言う形でぶちまけた一応歴史書である。しかし、南朝のリーダー格である親房が堂々と暴露本を出して建武の新政に文句を言うわけにもいかないため、適当にオブラートで包んで南朝の正当性を示す為の歴史書ですと偽った。」

■神皇正統記 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%9A%87%E6%AD%A3%E7%B5%B1%E8%A8%98
「『神皇正統記』(じんのうしょうとうき)は、南北朝時代に公卿の北畠親房が、幼帝後村上天皇のために、吉野朝廷(いわゆる南朝)の正統性を述べた歴史書である。」

■「日本書紀」原文
http://www.seisaku.bz/shoki_index.html
http://www.j-texts.com/jodai/shokiall.html
■六国史
http://www.j-texts.com/sheet/rikkoku.html
■古事記と日本書紀はどう違うか
http://www.k4.dion.ne.jp/~nobk/other/kiki.htm
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