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2014年10月08日19:10

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短歌まとめ(14年8月までの現存する短歌)


【春
待ちわびた花の咲く期のやすらぎに
 住み処にこもり背を向くきみよ
伏す父の真白のとこの笑みをして
 さむざむと過ぐ春の夕暮れ
ねむねむのおめめをこすりおっきして
 まだまだやまぬおしごとのやま

一度だけ店にいらした客人の
 心づくしはおかし、ほおばる
曙に栖に戻る逆の鳥の
 靄に消え逝く白く蔭
   (栖=すみか、逆=さか、靄=もや)

【人生
暗がりを抜け出でたるはいづくにか
 花咲く路の光ぞ満つる
降りかかる時のしわざの白雪に
 萎みし平の手に覆ふかな
懸命のふたつの文字の隙間には
 怠惰ひそまず労わりのあり

【恋愛
宵やみに隠して沸きぬる白波は
 天上の月おぼろにて消ゆ
透きとおるあなたの汗の滴るは
 コオリとけゆく檸檬のいろに

       以上13年5月以前の短歌

赤々とわたしに見せる看板に
 恋いこがれるは腹の虫なり  130603
ばか、と泣き、ばか、と笑いてばかと知り
 ばかばかしきは我ばかりなり 130604

【梅雨
つかの間のビルの隙間に入り込む
 四角い型の青きつゆ空    130604
しとしとと降れる小雨をよけたるも
 軒をつたいて鼻つらに落つ  130619

【恋愛
うたかたの夢にかよひて覚えども
 長ながし夜に乾びむとかや  130801
   (覚え=寵愛を受ける意有)
宵やみに隠して沸きぬる白波は
 天上の月のおぼろにて消ゆ  130802
ひさかたの君が容にうつりぬる
 ひかり弛ませ叢雲の月    130802
匂ふ風に漂ひあらむ彼の君の
 降りそそがるる熱き眼差し  130806

【家族
風鈴の帯のはらます風にみる
 祖母の笑みのやはらかなりけり130808
卓上に我置き去りし書の題に
 父慌てけり『自殺のすすめ』 1309--

【秋
薄青をにじます際(きわ)に山黒く
 天を仰がす仲秋の月     1309--
三日月や空の裂け目に薄笑い
 からのシートに知らせたくもあり1309--
熱りたつ蝉の叫びは遠のいて
 追いかける雲の渦に巻かれり 1309--
荒塗りの雲に隠れし月影に
 我口惜しや垣間見るなり   1310--
叢雲の青く染みたるささやきに
 仰ぐ月影出づるを待たん   1310--
美しきひとの命のはかなさは
 風に吹かれて散る花のように 131015
夕間暮れ水道水の冷たさに
 夏も消え去り背筋もまがり  131026
倒れ伏す鉢植えも割れ酔っぱらい
 大風よりも手に負えぬ奴   131026
太陽の出だす力は変わらねど
 受くる我らに四季を贈れり  131026

【勉学
回答に個性なるもの示さんと
 問いの空き突き故意に弾かる 131026
主張してバツを貰ってほくそ笑む
 やっぱり駄目ねと教師査定す 131026

なんでかな傾げた瞳に映すのは
 覗いたわたしと消えそうな雲 1311--
真ん丸なトンボのかしらに百八つ
 見透かされそうでたじろぐ私 1312--
陽光に透ける薄雲散り散りと
 温もりも消え空に溶けゆく  1312--

【取材
ヘラヘラとたどたどと問う学生に
 演技混じりでノセまくるオッサン1312-

楠のかたぶきゆく日に照り映えて
 我が身尽くせど色はあたらず 140105
近年の年の代わりは曖昧に
 神は薄れてなまめかしとや  1401--
五十日親類集いて合わせたる
 音なき柏手神なる父へ    140120
如何やうに描かるるべきかと花問いて
 舞いて乱れて我立ち尽くす  1402-

【ソメイヨシノ
誰がために愛をしぼりて咲く花か
 実にやどらせる生わぬ命よ  140404
忘れさす末期の雪に霞みゆく
 花見る夢ぞしばし眺むる   140404

いつの間に梅もこぶしも木蓮も
 桜もつつじもすべて散りゆく 140519
ふくれたる下唇のたて皺に
 我を抑えし格子に寄りて   140803

【人生
石の上に十年座して腹据えて
 十年の時冷ややかに過ぐ   140831
打ち水を丹念に撒きて備えれば
 湯気に消したる炎天の石   140831
頑なに突き進みたる山道に
 日も見えざれば踏み誤らむ  140831

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