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2014年10月20日02:56

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詩『闇夜』



温かくて柔らかくて清らかな
白い花
両手ですくいあげようとしたとき
ササクレ立った黒い手は
ただ影にしか見えなくて
実体のない闇の一部でしかなくて
触れることもできず
遠くに行こうとする光を
追いかけるだけ追いかけて
時が経つにつれて
長くなっていく影に引きずられ
走り続けてやっと届いた花から
こぼれた露は
影に沁みこんで
そして
闇夜になった





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