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日記一覧

北海道大学古河記念講堂
2019年06月15日15:58

【A】「札幌農学校から東北帝国大学農科大学を経て、独立の帝国大学への道を歩んでいた頃、当時の古河財閥の寄付によっていくつかの教室が作られました。その一つの林学教室が、今も北大構内に生き続けています。随所に見られる、欄間や扉などに「林」の文字

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アイヌ納骨堂
2019年06月13日22:56

「アイヌ納骨堂1984年建立。1930年代から70年代にかけて北大医学部解剖学教室の山崎晴雄・児玉作左衛門両教授を中心に、人種主義的な人類学研究の「標本」として集められた千体にも及ぶアイヌ民族の遺骨が安置されています。アイヌ民族の中から盗掘

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北大祭に行き、同大学・大学院文学研究科の小田博志教授の「北海道大学もう一つのキャンパスマップ」という講義を聴いてきた。北大の公式な学校案内とは別に、語られることの少ないことを中心にして北大の構内を案内するというものだった。この講義の中で、小

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「花のいとおもしろきを見てあぢきなく春は生命(いのち)の惜しきかな 花ぞこの世のほだしなりける(風雅雑上)」小松登美ほか『和泉式部集全釈 続集篇』(笠間書院・2012年新装版)p.126より.:*:'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆。'・.:*:

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反<絆>論-ほだし(4)
2019年06月05日22:10

「「絆」という言葉は、(日本古来の言葉であるが)先の地震のときにあっという間に全国に広がり、一つの権威を獲得した。」「しかし、想い起こしてもらいたい。とは本来人を「縛る」ものなのだ。親子の絆、夫婦の絆、地域社会の絆が「善いこと」ばかりを含意

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ほだされる-ほだし(3)
2019年06月03日21:45

名詞の「ほだし」から少し離れて、動詞の「ほだされる」について。この動詞の能動態は「ほだす」なのだろうが、この「ほだす」の用例は、あまり見ない。圧倒的に多いのが、「ほだされる」という「受け身」(受動)の形だ。なんとなく演歌や浪花節で使われるこ

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「ほだし」の漢字には、「絆」「桎」「紲」「縻」などがあるようだ。このうち「あしかせ」と訓ずる「桎」以外の3つには、「きずな(きづな)」という訓もある。つまり、「ほだし」と「きずな」は、漢字を通じて(ほぼ)同義だと言える。大野晋ら編の『岩波古

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「背きにしこの世にのこる心こそ入るやまみちのほだしなりけれ」「背く世のうしろめたくはさりがたきほだしをしひてかけな離れそ」.:*:'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆。'・.:*:・.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・ 上に引用したのは、「源氏物語」の「

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お久しぶりです。昨日は、往復7時間以上の汽車旅で日帰り出張に行きました。本当は飛行機で行ってもいいところなんですが、経費節減のため(笑)。その時間をつぶすために、カッシーラーの『人間』(岩波文庫)を持参しました。連休中に同書の「神話」の章を読

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「1950年代は、ヨーロッパ・アメリカ美術の新動向が次々と伝えられ、日本美術界がめまぐるしく変化した時代です。「具象」と「抽象」の問題について悩んだ相原は、絵筆のとれない日々を過ごしました。しかし、1961年の北海道旅行で雄大な大地と風土に出会った

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「神話が主として知覚するものは、客観的特性ではなくて相貌的特性(physiognomic characters)だということができる。」「神話の世界は劇的な世界である−−行為の世界でおり、力の世界であり、相闘う勢力の世界である。」「科学という新しい光のもとで、神話

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加清純子について(2)
2019年05月02日13:41

「よみがえれ!とこしえの加清純子」という展覧会のタイトルを知って、僕はかなり強い違和を感じた。十代で自らの命を絶った「女の子」に対して「よみがえれ!」と言うことについて、どうしようもない倒錯のようなものを感じたのだ。この点では、彼女の死を「

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憶良の現代性-萬葉集
2019年04月30日16:40

「ところが憶良はきわめてユニークな歌人で、ほかの歌人たちと大いに作風がちがいます。ほかの人たちが恋愛の歌は一首もない。自然や季節の美しさ、変化もよまない。反対に人間の生と死に目を向け、社会を鋭く見つめ、男子としての人生を歌の課題とします。」

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加清純子について(1)
2019年04月29日23:41

昨日は、札幌市の中島公園にある北海道立文学館に行ってきた。「よみがえれ!とこしえの加清純子」という展覧会を観るためだった。加清純子と聞いて、知っている人は少ないだろう。分かり易く言えば、渡辺淳一の出世作『阿寒に果つ』のヒロイン時任純子のモデ

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「そんなことより、一万メートル、泥、死の危険を自分の役割として引き受けることのほうが重要なのだ。純然たる苦渋しか残っていない。そこには、建設、征服、追求の歓びはほとんど存在しないのだから。わたしは参加しないことに耐えられない。参加すれば、自

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「まえに出した手紙を信じないでくれたまえ。説明するのがひどくむつかしくて、裏腹なことを言ってしまうのだ。選択したということにはほとんど悲しみをいだいていない。わたしにとって、人生というものはひどく理解しにくいものだし、自分というものも自分に

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司馬「ぼくは万葉集のなかで、やはり山上憶良が好きなんです。なぜだろうと思ってたんですが、それを解決してくれた人は中西進さん(国際日本文化研究センター教授=当時)なんです。」リービ「ぼくの恩師です。」司馬「二十年ほど前、中西さんがお書きになった

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「新しい年号が「令和」と定まりました。典拠の文脈を精読すると、〈権力者の横暴を許せないし、忘れることもできない〉という、おそらく政府関係者には思いも寄らなかったメッセージが読み解けてきます。」「テキスト全体の底に権力者への嫌悪と敵愾心が潜め

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萬葉集と忠君愛国
2019年04月15日23:04

「山上憶良は、奈良朝初期の大歌人で、若くして遣唐少録となつて支那に渡つたこともあり、儒仏の道にも通じてゐる学者である。その作品は、特に貧窮、老病等の社会上の事相を歌ふ点に於いて特色がある」(p.43)「山上憶良は、当時の新知識に富める人であつ

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萬葉集の巻第五
2019年04月14日22:18

793「世の中は空しいものと知る時しいよいよますます悲しかりけり」803「銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに勝れる宝子にしかめやも」893「世の中を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば」いずれも『万葉集(二)』(岩波文庫・2013年

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翼があったら
2019年04月13日18:22

「いつか私も 空を飛べるはず ずっと信じていた翼があったら飛んでゆくのに 貴方の胸に今すぐにでも」歌:今井美樹、作詞:布袋寅泰「PRIDE」http://www.kasi-time.com/item-4582.html.:*:'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆。'・.:*:・.:*:・'゜★゜'

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「遂に手に入れた、「これが私だ」。「私固有の」「私だけの」「この私の」死、私の「真理」だ。しかし、モーリス・ブランショは、静かにこの真理を、死を、脱臼させる。彼はその死の真理を、何か灰色に溶けだした不穏な静けさの中に解き放ち、潤(ほと)びて溶

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スピノザの『エチカ』が一段落したら読もうと思っていた本の中の一冊、サルトルの『存在と無』を読んでみている。と言っても、最初から通読するのではなく、つまみ食い的な読み方だ。『存在と無』は、高校時代のサルトル全集版から3回くらい読んでいる。だか

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昨日は、2月26日ということで、「二二六事件」のことでも書こうかと思ったが、過去に書いたことに特段付け加えることがなかった。というわけで、1か月ほど前に神田神保町で買った本について書く。2月26日の夕方、神田のバーでピアニスト廣田ゆりさんの

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ドナルド・キーン氏については、何度か日記の中で取り上げたことがある。僕が同氏に関心を持つのには、主に二つの理由がある。ひとつは、彼の日本文学研究家としての日本文学に対する見方が、他の日本文学者(国文学者)とは違ったユニークなものであり、興味

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思索という罰-人生訓(01)
2019年02月20日22:50

「思索などをする奴は緑の野にあって枯れ草を食う動物の如しとメフィストに嘲らるるかも知らぬが、我は哲理を考えるように罰せられているといった哲学者(ヘーゲル)あるようにも、一たび禁断の果(み)を食った人間には、かかる苦悩のあるのも已むを得ないこと

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寛政蝦夷乱取調日記
2019年02月19日22:25

「寛政蝦夷乱取調日記 上・中・下 / 新井田孫三郎(カンセイ エゾラン トリシラベ ニッキ)成立年 寛政1年 (1789)形態 複写(自筆本 3冊) 25cm資料注記 国会図書館所蔵本内容説明 寛政元年、北海道東端のメナシ地方およびクナシリ島で起ったアイヌによる和人襲

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読書会-エチカnote(04)
2019年02月09日23:06

スピノザの『エチカ』の読書会に行ってきた。スピノザ研究家でもある國分功一郎先生の講演もセットされており、なかなか面白く、勉強になった。この企画が提案されたとき、國分先生は反対されたのだそうだ。この読書会には、「課題本の読了」という「参加条件

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実体と存在-エチカnote(03)
2019年02月07日07:51

デカルトの「神」の概念について、以下のようなコメントを見かけた。 「定義から得られるものは神は実体であり、存在そのものであるということでしょうか?」 「スピノザ著『エチカ』を読む」トピック[2] https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=

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哲学のOS-エチカnote(02)
2019年02月06日06:58

「たくさんの哲学者がいて、たくさんの哲学がある。それらをそれぞれ、スマホやパソコンのアプリ(アプリケーション)として考えることもできる。ある哲学を勉強して理解すれば、すなわち、そのアプリをあなたの頭の中に入れれば、それが動いていろいろなこと

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