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2018年07月05日22:07

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彦星の妻待つ宵-躬恒

延喜御時御屏風に みつね

(55) ひこほしのつま待よひの秋風に我さへあやな人そ恋しき

吉田栄司編『七夕和歌集』(古典文庫)所収
「七夕星歌抄」(元禄頃刊)p.17より

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七夕を詠んだ凡河内躬恒(おうしこうちのみつね)の歌。
元々は、第三勅撰集である『拾遺和歌集』の「巻第三秋」の中の歌(142)で、江戸時代に刊行された「七夕星歌抄」にも引用された。

「七夕星歌抄」では、『拾遺和歌集』から七夕に関連する歌を26首引用している。

原文に漢字をあててみる。

「彦星の妻待つ宵の秋風に
我さへ彩な人ぞ恋しき」

【拙釈】
「彦星が妻である織姫に逢うために待っている七夕の日の宵は、秋風も寒い。そんな秋風に吹かれていると、私のような者でさえ、わけもなく人のことを恋しく思われてくる。」

やはり、七夕の歌は太陽暦(新暦)の7月7日ではなく、旧暦の「伝統的七夕」の日でなければ、風情が味わえない(笑)。

ちなみに、2018年の「伝統的七夕」は、8月17日とのこと。

躬恒には、ほかにも七夕の歌があるようで、『古今和歌集』(180)には次の歌がある。

「七日の日の夜よめる
たなばたにかしつる糸のうちはへて年の緒ながく恋ひやわたらむ」

過去の僕の日記で「七夕」に関するものを拾ってみたら、意外と多いことが分かった。
ほとんどが、「伝統的七夕」に関するものであるが(笑)。

◆七夕に関する日記のリスト
・七夕の歌−古今和歌集(01)(2011年07月07日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1747031163&owner_id=2312860
・伝統的七夕(2012年07月07日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1857237677&owner_id=2312860
・ラマダンと七夕(2013年07月09日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906758179&owner_id=2312860
・伊勢物語「彦星」(第95段)(2016年07月07日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1953938224&owner_id=2312860
・SFC-七夕祭(2017年07月02日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1961312678&owner_id=2312860
・伝統的七夕(再論)(2017年07月09日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1961429641&owner_id=2312860
・源氏物語における七夕(2017年07月14日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1961526029&owner_id=2312860
・伝統的七夕(2017年08月26日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1962291437&owner_id=2312860
・七夕和歌集(2017年08月27日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1962312352&owner_id=2312860
・別るるさへぞうらやまれける-七夕の和歌(2017年08月30日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1962359338&owner_id=2312860
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