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2015年08月13日23:25

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基本思想-保守と革新(1)

右翼という言葉があり、左翼という言葉がある。
あるいは、保守と革新という言葉がある。

僕自身は、左翼であることを自認しているが、保守的な思想に共感することもある。
若い頃は、単純に、革新的なものは正しく、保守的なものは駄目だと考えていた。
ただ、色々と知識や経験が増えるにつれ、革新の中にも駄目なものはあるし、保守的なものの中にも重要なものがあると思うようになってきた。
こうなると、保守とは何であり、革新とは何であるかが問題となる。
以下、こうした問題に対する僕なりの考え方のまとめだ。

保守思想を特徴づける大きな要素は、人間の可能性に対する懐疑主義ではないかと思う。
人間の新たな可能性に対して懐疑的であるから、歴史や伝統や制度といったものを尊重するようになる。
歴史のある伝統や制度は、人間が「悪」や「無道」(非道)に逸脱することに対する歯止めになる。
だから、保守は、改革よりは現状維持に傾きがちであるし、急激な変化よりは緩やかな変化を望む。

保守の重んじる歴史や伝統が、自国や自民族のものに限定されるかどうかは、保守の思想にとっては偶然的なものなのだと思う。日本の保守の思想家の中にも、西洋思想の伝統を重んじる人は少なくない。ただ、伝統や歴史への愛着は、自然的には身近なもの(自国や自民族)に対する愛着に帰することが多いとは思われる。

これに対して、革新思想を特徴づけるのは、人間の可能性に対する信頼だ。
「自由」「平等」「博愛」は、200年以上も前から、革新陣営の旗印である。
「自由」「平等」のためであれば、伝統に対する挑戦(更には、伝統の破壊)も厭わない。
「自由」「平等」「博愛」の思想が延長されるならば、それは一種の普遍主義になる。そのため、革新の思想は、国際主義(インターナショナリズム)と結びつきやすい。既存の権威や権力に対して、反対の立場をとることも多い。

こうして考えると、人間の歴史は、保守と革新の対立のダイナミズムから生まれているのではないかということに思い当たる。その意味では、歴史を、対立と矛盾によって生成される過程とした描いたヘーゲルの歴史哲学や精神哲学は、非常に面白いものだとう気がしてくる。

ただ、現実の歴史や政治は、こうしたきれいな二分方から外れていることも多い。

(つづくかも知れない)
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