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2006年12月11日00:55

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ココシリ−闘う自然保護

というわけで、この自然保護シリーズの「本論」、映画「ココシリ」の話である。
チベットの奥地、平均海抜4700mの高地にココシリと呼ばれる山岳地帯がある。ここは、チベット・アンテロープ(映画の中では「チベットカモシカ」)の最後の生息地である。かつては100万頭いたといわれるアンテロープだが、その毛がシャトゥーシュという人気のある高級毛織物の原料となるため、密猟が行われる。そして、生息数が1万頭にまで激減する。退役軍人でありチベット人である男が、ボランティアで山岳パトロールを組織し、密猟者と戦うというお話だ。
<ストーリー>
http://www.sonypictures.jp/movies/mountainpatrol/site/story.html

この映画は実話に基づいているとのことだ。
「ボランティア」を「キレイごとが好きな人間の道楽」と思っていた人や、「自然保護」を「ヌルマ湯的な理想主義」だと思っていた人は、この映画を観て驚くことだろう。ここに描かれているのは、もうハード・ボイルドなどではなく、「戦争」だ。色々な原因で、仲間が死んでいく。敵(密猟者)に撃たれ、流砂に呑まれ、飢えや寒さ、高山に特有の病気などなど。戦争と違うのは、それが国家の命令によるのではなく、各自の自発的な意思によって参加しているということだ。

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なぜ戦うのか?
予告編の中には、次のような言葉がある。

大地に対する愛のために
自らの魂の自由のために
彼らの世界の未来のために

間違ってはいないと思う。しかし、語り尽くされているとは言えない。
昨日の日記に対するイズミさんのコメントの中の「男気」というのも正しい。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=288337570&owner_id=2312860

この映画のラストは悲劇的である。
山岳パトロール側の登場人物の大半は悲惨な末路をたどる。
隊長は、悶え苦しみながら死ぬ。
そして密猟者たちが生き残る。
しかし、「現実」には「希望」がある。そのようなお話だ。
語り得ぬものは、観て感じてもらうしかない。

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この映画を、自然保護活動の関係者は、どのように観たか。
まず、「トラフィック」のイーストアジアジャパンは「強力推薦」と絶賛する。
http://www.trafficj.org/news/j20060601news.htm
そして、ワシントン条約事務局も、「関係者は必ず観るべき映画として推薦」した。のみならず、2006年7月に北京で開催されたインターポールの野生生物ワーキンググループ(IWWG)の会合中には、ルー・チューアン監督を「法執行に関連する模範的な活動」として表彰したそうだ。

ツタヤなどで「新作」として並んでいるようなので、是非観て欲しい。
僕は、借りた後に買ってしまった。

この映画には、もっともっと論じられるべき多くの問題があると思われるが、それはまたの機会としたい。

<チベットアンテロープ(チルー)>
http://www.trafficj.org/citesdb/chiru.htm
<映画:ココシリ>
http://www.sonypictures.jp/movies/mountainpatrol/site/top.html
<映画の解説など>
http://www.sonypictures.jp/movies/mountainpatrol/site/intro.html
http://www.sonypictures.jp/movies/mountainpatrol/site/production.html
http://www.sonypictures.jp/movies/mountainpatrol/site/colum.html
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