えーと、これ、古い話です。10数年前のラジオトークだけれど、当時でも頭抜けていました。
なんというか、軽さ、テンポ、どれもいいのだが、実はいちばんの良さは「品の良さ」。
言っときますが、大した「品の良さ」というわけではないのですよ。
キタナイ言葉、強い言葉を一切使っていない。それくらいのこと。(けれど、これがむずかしいのです)
それでいて、これだけの面白み。うーむ、これを、ぼくは大変にホメちゃいます。
「世界陸上」を見ながらのやりとりで、あの大選手の投擲への思い入れが素直なトークになっています。これが歌よりいいか、(いや失礼かな)、同等としましょう(あー、ネタをばらしそう)。
芸ってのは、行き着くとこ「品の良さ」にあります。(ちなみに絵に描いたような品の良さは、芸の世界ではさほど評価されません)
風のようにフラフラっとやってくる「品の良さ」、抑圧なき自由、こいつをぼくは格別の自由と認め、ホメあげたいのです。
(ここんとこのSNSに見られる一部の、刺激だよりのトーク芸とのよき対比になるかと思い、上げてみました)
聞いて(見て)ください。はい、どうぞ。ビューーーン。
○
オレさあ、世界陸上を見てたらやたら感動しちゃってね。
室伏、室伏、あれもう大変、オレはもう思い入れのあまり室伏のハンマーになりたくなっちゃったのよ。もしかしたら半分くらいなっちゃったのかなあ。
で、オレというハンマーは言うよ
「室伏さん、ぼくをビュンビュン回してください」
サークルって言うのか、あそこで回転しはじめるだろ
「もっとです。もっとです」
なんて合の手よね。グーンと加速
「あー、ぼくはたまりませーん」
(ハイ、ここでエコー)
ハンマーが手を離れる時には、
「行ってきまーす」
と飛び出しながら、オレというハンマーは言うわけ。
そこは健気(けなげ)だよ、オレというハンマー。
それでね、飛びながらまた言うわけ。
「アトの2メーターは、ぼくにまかせてください。
なんとかします、なんとかしてみせまーす」
絶叫しながら飛んでいって、最後のところで、ベロとかアゴとかすっかりオレの顔になった鉄球から出しっちゃって、そんでもってクククーッと距離出すわけ。
スローで見ると球は砲弾状になっていて。
面長の鉄球だね。
ドッカーン。
落ちるだろ。
そしたら気を失いそうになりながら、チラッと距離を横目で確かめて
「ぼ、ぼ、ぼくはやりましたよね」
と言いながらパタンだ。
「いい仕事しましたね、拓郎さん、いえ吉田ハンマー拓郎さん」
とそこでアルフィーの坂崎がみょうにほめあげる。
そうだよ、オレはやる時きゃ、やるんだよ。と拓郎。
というわけでこのバカ話しは、吉田拓郎とアルフィーの坂崎のラジオ番組の話し。
まあ、あまりにいい調子なんで思わず聞き惚れっちゃたね。
そんでもってふたりで「天使のハンマー」を歌い出すのだから、ま、かつての歌謡漫談の今バージョンだよね。
吉田拓郎の「天使のハンマー」なんて聴いたことのあるやつなんていないんじゃないか。
ま、いいかウンチクなんて。
あっ、「天使のハンマー」はいまいちだったね。けどなにしろ前説がいいやね。
お気楽、ご気楽、だもんね。
というわけで、「室伏のハンマーになりたかった男」とは吉田拓郎という一説でありました。
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