公共の場で愚痴をこぼすというのは、あまり品の良いものではない。しかし、こんな時代、どんなエッセイを書こうとしても愚痴しか出て来ない。いっそ、愚痴を次の企画にしてみようか、などと考えている。たとえば「愚痴から出まかせ」とか「愚痴は幸いの元」とか、そんなタイトルの企画ではどうだろうか。
楽しいこと、面白いこと、美味しいもの、美しい風景、素敵な音楽、と、そんなことは日常にはない。そんな豊かな生活はもともとしていなかったが、それにしても、この数年は、愚痴になるようなネタしかない。世の中は、いつか明るくなるのだと信じていたが、世の中は、いくら待っても暗いままなのだ。いや、闇は、ますます深くなっているようにさえ思えるのだ。
ここまで暗いなら、もう、暗いことを書くしかない。いっそ、落ち込むところまで落ちこめば、そこで見える光もあるかもしれないのだから。愚痴のついでに「日本昔話反転」と、そんなものもどうだろうか。たとえば「意地悪爺さん華欲しい」とか「桃太郎恐怖症」とか「輝夜姫に騙されて」など。ああ「借金ころころ」なんて話もあるかもしれない。
さえ、次の企画はどうしようか。
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