「打つでしょ、ここ、ここで手首を返さない。これが、世界がビックリの特許技術なんです」
「特許で、もー大変なんですから」
えー、なんだ、お前は三平か。
メキシコ戦の吉田正尚が放った3点ホームランについて、日本語がなんとも不自由なムネリン川崎がバットを振り振りの仕方話で汗だく。ふぇ、ふぇ、まわりは、いつものムネリン語に笑うばかり。
だが、これね、日本打法の秘伝でね、日本プロ野球70年の歴史が生んだ打撃理論のゴールでもあるわけ。ムネリン、言葉は不自由だが頭は不自由じゃない(と思えるね)。
これは「ミートしたバットを(打球方向に)放り出す感覚で振る」という理論に沿っている。バットにボールが当たる、そのままバットで押し込むように振る。打球に力をのせよう、方向を持たせ力をまとめようという打法ですね。
さてと、この打法をいちばんはじめに言い出したのは誰か。
これが実に面白い。あのミスター、長嶋茂雄と思われます。ミスターもたくさんの言い伝えの中からまとめ上げたのでしょう。が、はっきりひとつにまとめ上げ主張したのがどうやら、らしいんだなあ。
それはミスターらしい奇想天外な理論をとなっています。奇想天外ですよ。
「バットにボールが当たる、そしたら両腿をグッと締めてチンポコが投手を目指して槍のように突き出す形だ。そこまでやるんだ」え、まあ、いろいろありましょうが、理に適っているようです。
で、この理論を週刊朝日と熊本大が実験をした。バットの芯がどういう軌道を描き力を伝えるかという実験です。軌道を図形化しました。
ミスター本人がバットを振る、そのバットの芯がミートしてから打球方向に15�儖幣紊眇�びていた。円軌道が楕円に、さらに一部が前方向に変形していたんですね。理論通りです。チン押しの軌道部分です。スイングスピードが生みだす力をさらに上積みする効果があることも実証しました。
次があります。ミスターのほぼ倍、30�儖幣綢乃緤�向に芯を送り出すバッターがいたのです。王さんです。飛ばし力の差の元がはっきり出たのですね。
つまりバット放り出し打法は、ミスターが開発し、王さんが完成したON打法と呼ぶべきものなのでしょうか。
さらに、長嶋、王と同じスイングスピードを持つ打者が当時の巨人軍にいました。驚くほど速いライナーのホームランを打つのですが、本数は驚くほどには伸びませんでした。淡口憲治です。彼の芯の軌道は、きれいなカラダの回転を想像させるやや短い楕円でした。
さらにもう一つ、原辰徳が(後に監督)入団した時にミスターは「回転だけで打つと、よくて2割8分バッターだよ」と予言しました。そうなりました。
話はググーンと戻りますが、なもんで吉田正尚の打法はON打法の正統を継ぐものというながーい話でした。理詰めの話はどうしてもながい。だからモテない。これも日本古来の理論です。ごめんなさい。
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