ヘルベルト・フォン・カラヤンは、御存知の様にベルリン・フィルとベートーヴェン交響曲全集を3回拵えて居ります。昭和52年の日本公演における、ベートーヴェン・ツィクルス、昭和41年の東京公演の実況録音盤も出ているので、一人の指揮者のベートーヴェン交響曲全集、としては一番録音が多いのではないか、と思う次第。
わたくし自身は、昔はカラヤンのベートーヴェン演奏は好みに合わなかったのですが、近年の胡散臭い(とわたくしには思えない)所謂HIP系の演奏を聴かされると、嘗てカラヤンのベートーヴェン演奏に感じられた違和感が、大分薄れて来ました(尤も転向して、「カラヤンマンセー」という訳、ではありませんが)。
わたくしはカラヤンのベートーヴェン交響曲全集は、フィルハーモニア管弦楽団(モノラル、一部ステレオ)と今回再発される1960年代のものと、1970年代のものと都合3種類持っているのでありますが、好みでは1970年代の録音が御贔屓、でありまして。
只世間的にはこの1960年代の録音が、人気が高い様で。数年前に某メンブランからこの録音が発売された時は、到頭DGもこの録音での商売に見切りをつけたのかな、とも思ったのですが、そうでもなかった様で。この5CD+ブルーレイ版も、調べてみると2014年7月にこの形で一度発売になっているのでありますね。
出し直しか、とも思いましたがカタログ・ナンバーは変更になっていますし。DGはまだこの録音で商売ができる、と踏んだ事に他ならぬ、と思うのですが、考えてみれば随分息の長い全集録音、でありますねえ。そろそろ録音されてから60年が経とう、としているのに。まあ大したものだ、と感心するしかないですねえ。
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