阿修羅のごとく

阿修羅のごとく、おもしろかった。和田勉のドロドロと違って森田のはタンタン調であり、どちらかというと爽やか調であり、黒木瞳の新聞丸めて叩くや中村獅童の火事があった家からの服装などの森田コリオグラフィが面白く絡む。人と人が支えあって男女と読む、夫婦と読む、浮気と読む、そして家族とも読む、というセンスである。その支え合う接点には、静電気のようなビリリが走る。嫉妬や妬みだけではなく、そこには様々なエモーション。多くを語らなくても分かるものがエモーションとして表される。そこには父親の大きな背中、母親の細かな気遣いが有る。人と人が支え合って家族がある。笑い合う姉妹たちが、スローなトラックイン、ラストショットにフォーカスされる。