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2021年09月11日19:35

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《映画》滂沱の礼儀

戦争を知らない子供たち(←川オス)にとって20年前の出来事は、初めて「戦争」を身近に意識した瞬間だった。
残業帰り、駅からの帰宅路。ラジオのイヤホンを耳にNHKを聴いていた。
1機目のジャンボがツインタワーへ飛び込んだこと自体、何が起きたかの理解ができなかったけど、しばらくしたあとに、CNNニュースの音声から「second attack!」の声が聞こえてきた。
自然に”とんでもないことが起きている”と、足が早まり、走って帰宅を急いでいた。
自宅では飛行機がビルにアタックをかけるシーンが繰り返し流されている。
一体、このあと、この世界はどうなってしまうのだろう。

数年後、NYグラウンドゼロに立った。祈念館には、犠牲になった3000人以上の名前が記録され、墜落したジェット機のブラックボックスや、ビルに飛び込んでいった消防士やビル内にいたビジネスマンが家族へラストコールを告げている音声などが流されていた。
怒りと言うよりも、とにかく哀しさが先に立ち、それほど理解できるわけもない英語の音声にひとり、滂沱に陥っていた。
そういえば、その展示室にはボックスティッシュが所々に置かれていて、アメリカらしからぬ気の遣いように、もう一つ、小さな感動を得たことを思い出す。
タリバンの復活が、アルカイダやISなどテロ集団のリボーンにつながっていくのだろうか。歴史は繰り返す。
いや、二度とあってはならない2001年9月11日、アメリカ。

カチンコ映画レビュー
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109『少年の君』★5.
オープニングからエンディングの収束まで、監督の力量を見せつけられる完璧な秀作であった。深みのある映画を好きなファンからのレコメンドは決してハズレはなく、とにかく公開中に駆けつける欲求が募っていた。今年ベスト級の大正解。

ただ一つ、問題が起きた。
始まって1時間ほど経った静寂の映画館。
映像に感動した女子1人が、洟をすすり始めていた。
泣きだした切っ掛けのシーンを思い起こすことはできないが、それでもかなり早い時点。
1席空席をあけた左側。洟のすすり具合は終わることなく、バッグからティッシュやタオルを出す音も聞こえてくる。
ストーリーに習ったように静かな映画だったから、唯一、音を立てている最後部の席はどうしても目立ってきた。彼女のすすり泣きは止まることなく、やがて滂沱へと変わっていく。
やがて現れるタイトルの意味、そして、いくつかの感動シーン。
通常の映画鑑賞時であれば、おいらだって涙を流していただろう。ところが、隣席でこうも泣かれてしまうと、どうしても感動が疎かになる必定。
この経験は、かつて山下達郎のLIVEや、レミゼラブルの舞台でも経験済み。

映画はエンディングを迎え、やがて深いポエムを含んだエンドロールが流れてくる。
涙は止まったようだから、きっと客電がつけば、右側に座るおいらに「ごめんなさい」のひと言があるのだろう。お返しの言葉は決めていた。
「羨ましいぐらい、感動されてましたね」の誉め言葉を贈ろう。
ところが、滂沱女子。
エンドロールが流れるとともに、レジ袋をカシャカシャさせて荷物を手に、席を立つ。
(まだ、終わってないよ)
狭い客席の間。おいらの顔のあたりに、大きなお尻を向けてセンターラインへとスルリスルリと足を運ぶ。
感動を音楽に変えて流されるエンドロールの字幕は、残念ながら滂沱女子のお尻に隠されて、3秒ほど暗い館内にお尻の実物が間近に迫る恐怖げっそり
これではまるで、映画館にやってくるポップコーンバカのような、館内自宅仕様ではないか。
いや、そうではない。
滂沱彼女は、きっとエンドロールが流し切り、客電がつくことによって、1時間以上泣きはらした、オバケのようなアイラインやマスカラの流出を、他人に見られたくなかったからに違いない。
だから、礼儀喪失、迷惑覚悟でエンドロールの始まりと共に化粧室へ飛び込んでいったのだ。
そんな風に考えていたら、笑えてきた。
そして『少年の君』は★5.であることを確信した。
こんな上級の作品を分かり合える、与えられた幸せを噛みしめたいペンギン

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106『Summer of 85』★5.
男子に惚れる男子。
名作『ベニスに死す』を思い出す。ただ、ベニスはおじさんと若者。
Summerはイケメン同士の恋。
1985年ごろにヒットしたPOPSが、贅沢に流される作品なのかと、勝手に期待したがそれは間違い。
それでも、メインテーマとして流されたロッドの楽曲に、涙が落ちるか落ちないかの感動を1つ、2つ。あまりにも切ない★5つ。

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108『うみべの女の子』★4.
マンガ原作なのだろうか。どうやら、原作を大切にした設定のお陰で、エピソードは細切れになり、かなりの薄口な出来上がり。監督の力量不足は否めない。
しかも、おいらの大嫌いな暴力男子描写。女子に手を挙げる男子は、理由を問わず、ことごとく死んでいいと思っている。大嫌いなのだ。
そもそも中学校3年生設定には無理がある。
ここまでネガティブ材料が豊富なのに、評価は★4.
そのすべては、身体を張って演じていた、名も知らぬ主演女優への贈り物。
よくできましたチューリップ



■「結束こそ最大の強み」バイデン氏が呼びかけ 同時多発テロ20年
(朝日新聞デジタル - 09月11日 10:11)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6663323

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