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2021年01月20日16:45

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ドイツ軍参謀の観点からの第二次世界大戦論(25)----”武器供与法”の真の目的

第5章 庭用ホース //ルーズベルトによる布告なき戦争//

5.5 武器貸与法の真の意味
(訳者序)
ここでは,フーバ元米国大統領が”宣戦布告なき戦争の開始”と非難している”武器供与法”の本質が述べられている。”武器供与法”を一言で言うと,大統領の判断でアメリカの船舶のみならず軍艦をもイギリスに使わせることを可能とした法律,単なる経済援助ではないことに注意してほしい。

<日本語訳>
この場合について,自分の本音をアメリカ国民に提示するこは,不可能であり,また,彼はそのことを知っていた。さもなくば,彼は,実際に以下のように言うことができただろう。”わが友よ,この戦争は,世界征服のための戦争だ。我が目的は,我ら自身の手によって,流す血は最小で達成させるべきである。他の国々を我らの戦いのために鼓舞しよう。彼らに戦いを継続するために必要な全ての資材を提供しよう。何を気にする必要がある?。この武器供与法による資材を生産するための産業を発展させつつ,我々は,世界の覇権のために産業的にも軍事的にも準備しよう。彼らが我らのためにドイツ人を殺すことによって,我らの初期型を使い切り,在庫一掃してくれるのだ。彼らは,我々のために仕事を全うしようとするだろうが,それは,確かではない。我々は,最終的込まなければならないが,掃討することは容易である。我々は,多くの鉄(訳注:武器弾薬の意)をつぎ込むことによって,世界の勝利をえるだろう。これにより,我々が,苦しいと感じることなく,世界中を束ねたよりも,より速く,かつ,より大量に(供給できる)ことがわかる。他の国々は,血を流し,我々は,世界のルールを握るだろう”。これが,”武器供与法”が意味することであり,如何にうまく行ったかを述べたものである。

より容易,安全,益のある選択肢である和平交渉の門戸が常に開かれているにもかかわらず,最初は,イギリス,次には,ロシアが,”武器供与法”によって,極端に出血多過で殆ど望みなき戦闘を継続することを促された。1941年の後半,スターリンがどん底にあったとき,考えるべき理由があった。その時は,彼の陸軍と空軍は,統制のとれた戦闘部隊としては,実質的に存在せず,我々は,モスクワに向けてそれらを叩きつぶしていた。このような状況の時,もし,合衆国からの言葉と補給,人員は含まれていない,による励ましがなければ,非常な現実主義者は,再び和を請うに違いない。事実,ロシア人たちは,歴史に例をみない流血による犠牲を払って,世界の覇権をアングロサクソンの権力から別の権力へと移し替えたのである。

さらに,フランクリン・ルーズベルトは,非常に策謀を巡らせたので,英国は,流血を伴った援助を請わなくならなければならなくなった。彼らは,ルーズベルトが戦争する機会を恥も外聞もないくらい有りがっていた。1940年12月8日,チャーチルは,ルーズベルトに,歴史において,今持っているよりも,より大胆な位置にふさわしい長文の手紙を送っている。チャーチルは,かつて,彼は帝国の解体を主催する首相にならなかったと言っていたが,この手紙では,解体すると書いている。チャーチルは,この文書において,英国は,命綱,すなわち,船舶,飛行機,資材,ドルが尽きようしていると正直に述べて,当然の成り行きとして,大統領に英国を救う方法とその手段を見出すことを請うている。これは,ルーズベルトが車いすで冷やかに待っていたことである。すなわち,アメリカの援助がないと,帝国は終わる英国首相によるこの書面による告白である。2週間以内に,彼は,”武器供与法”を補佐官たちに提案し,一か月以内に,議会に上程した。

帝国は,ルールとそのルールを強要するための十分な戦力を意味する。チャーチルの手紙において,彼は,彼の国と帝国は無力となり,ルールを強要することができなくなったこと認め,その後継者を請うていた。ルーズベルトは,この受け入れに飛びついた。英国が,帝国の権力として終わったとしても,ルーズベルトの好敵手と戦争している4000万の国家として残る。その国家は,良質の海軍と空軍を所有し,欧州の海岸からちょっと離れた素晴らしい島国の基地であり,さらに,将来的にそこからドイツを攻撃することができる。第一になすべきことは,戦いを継続させることであった。

[訳者によるコメント]-----個人的見解
ドイツ軍の参謀は,1941年の後半に,ソ連には,統制のとれた戦闘部隊が実質的に存在しなかったと主張しいるが,そのようなことはない。欧州方面にソ連軍は,そうかもしれないが,名将ジェーコフ元帥が率いる精鋭部隊は,極東にいたのである。モスクワ前方でドイツ軍を撃退したのは,極東から移動してきたシベリア師団である。ドイツ軍の参謀は,このシベリア師団の存在を意図的に無視している。

フーバ元米国大統領は,”武器供与法”を”宣戦布告なき戦争の開始”と非難し,米国はwatchful waitingをすべきだったと主張している。イギリスに対しては,国際法が許容する金融支援のみに限り,その資金でイギリスに独自に,軍需品,食料,船舶を購入させる。このようにすれば,金融支援は,イギリスの借金となるので,なんとか戦争行為とならないで済むからである。
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