『ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド』(
彼らは生きていた)
公開時『彼らは生きていた』から『ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド』と改題されたドキュメンタリー映画をスターチャンネルにて鑑賞。
ピーター・ジャクソンが英国帝国戦争博物館に収蔵されていた第一次世界大戦の膨大な記録フィルムを基に退役軍人のインタビューとともに再構築。
白黒の素材に着色するのは時々お目にかかるが、粒子の荒い映像を丹念に修復し特殊な3D 技術を用い、速度を調整して今まさに生きているかのように描写する。
戦闘シーンだけでなく、前線のごくありふれた日常が垣間見えるのが貴重だ。
年齢に満たないものまでも誤魔化して出兵させる異様さはどこも同じなのか。
まだ戦争の怖さを知らない無垢な表情が彼らにこれから起こる悲劇を想うと胸を締め付けられる。
反戦映画としては鉄板の構成。
さすがに交戦が激しくなる後半はイラストで代用する箇所が増えるのだが、生死を共にした戦友らの絆や戦争のむなしさは十分伝わる。
正直な所、先端技術云々よりも適切な素材を選び出し難解なパズルを完成させた労力に脱帽。
『1917 命をかけた伝令』とセットで楽しみたい。
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