『
荒野の誓い』
昨年見たかった1本だが、上手く都合がつかなくて断念した作品。
スターチャンネル・ムービーだったためか、DVD発売より前に放送された。
(なおブルーレイは発売されない。)
1892年アメリカ、馬から鉄道へと時代の転換期を舞台にした西部劇。
それはさながら現代の時代の転換と照らし合わせるようだ。
敵であるシャイアン族の一家を居留地へ護送する役目を担った騎兵隊大尉のジョーを演じるのはクリスチャン・ベール。
これまでさんざん殺戮してきた先住民を今度は「守る」という行為は内心複雑な思いがあったろう。
先住民に家族を殺されたロザリー(ロザムンド・パイク)が同行することで、より深い葛藤を抱える。
ガンアクションはあるにはあるが、かなり地味な映画。だが一方では滋味もある。
「敵の敵は味方」ということでもないだろうが、立場や視点が変わることで自らの偏見に気が付く機会でもある。
不寛容と人種差別が横行し分断の現代には重なる点が多々ある。
広い荒野では人間のチンケな争い事を矮小化させる。
人は変われる。それが如実に表されたラストに心打たれる。
美しい荒野の大自然の風景だけでも見る価値は十分。
出来れば大画面で見たかった。
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