皆さま、自粛ライフをいかがお過ごしでしょう?
当方は普段から基本的に単独行動なのでさほど変わらなくて、自粛鬱がピンと来ないのですが、劇場で新作映画が見れない点だけはジワジワ来てます。
どうせ夏まではめぼしいのはかからないので、潔く所有ソフトや録画ディスクの消化と行きましょう。
『Ready Or Not (Wedding Nightmare)』
アメリカのホラー映画で日本未公開作品。仏盤ブルーレイに日本語あり。
原題はReady Or Not だがフランスではWedding Nightmareとなっている。
ボードゲームで財を成したある名家に嫁ぐことになったグレース、有頂天で邸宅に招待されて一家の伝統であるというゲームに参加を強いられる。
くじ引きで選んだゲームは「かくれんぼ」。
しかし、それは普通のかくれんぼではなかった。
嫁と家族とで命をかけてのサバイバルかくれんぼが始まる。
いわゆるジャンル映画ではあるが、“その筋”の愛好者だけのものにしておくのは惜しい。
アクション要素に加え、ブラックユーモアも漂わせる。
か弱いヒロインの成長物としてもよくできていると思う。
何よりヒロイン役のサマラ・ウィーヴィングのコケティッシュな魅力に悩殺される。
日本盤は7月15日発売
『ジェミニマン』
ウィル・スミス演じる史上最高と言われるスナイパーのヘンリー。
引退を決意した直後に謎の人物の襲撃にあう。
その相手があろうことかクローンで生まれた若き自分。
監督は名匠<アン・リー>。
クローン技術の是非はともかく、同じボディであっても戦闘能力スキルが同レベルになる事はないのではないかという素朴な疑問が浮かぶ。
自分自身と戦うという哲学的、あるいはギリシャ神話のような設定を生かすことなく、後半にはベタな人情ドラマになってしまったのは勿体ない。
どうもアン・リーはSFものと相性は今一つなのか(製作のジェリー・ブラッカイマー色が強い)、同じアジア系の監督ならジョン・ウーで見てみたかったかも。
もっともこれは3D-in HFRという新技術を楽しむための物なのだろうから、家庭で通常のブルーレイで見たのでは評価できかねるのかもしれない。
(オールCGで作られた若き日のウィル・スミスもスゴイ。)
『STUBER』
日本では未公開だが、米国盤4K−UHDに日本語がついている。
Uberタクシーの運転手と殉職した相棒の仇を討とうと執念で犯人を追い続ける警官が偶然一緒に捜査することになった娯楽作。
お人よしのUberドライバーのスチューが強引に乗り込んできた警官と仕事ではない追跡劇に5つ星評価が欲しいゆえに無理矢理付き合う姿をユーモアも交えて描く。
バディムービーで水と油だった二人が追跡捜査を通じて互いに理解し合うというお約束の展開だが、キャラクターに魅力もあってまずまず楽しめる。
コメディ映画としてはアクションが強めに描かれるし、笑いも平均的なレベルを超えているとは言えないが、主演二人の相性はピッタリ。
『トレーニング・デイ』
いつか見ようと思いながら延ばし延ばしになっていた作品。
これ以前の善人役のイメージを脱ぎ捨てたデンゼル・ワシントンの悪徳刑事役がギラリと光る。
麻薬捜査のベテラン刑事は新人教育に無理難題を押し付ける。
目的のためには手段を択ばない手洗い教育に反発するのはよく分かる。
バディ映画のように見えるが、互いの溝は埋まるようには思えない。
その対立が解消されないのは現実の世の中を映し出しているからか。
視点を変えればフークア版『セルピコ』とも取れなくもない。
リアリティのために実際のギャング街で撮影していることもさながら、本物のギャングを出演させていることも驚き。(日本なら反社を使うなんて…とバッシングされるのは目に見えている。)
デンゼル・ワシントンと新人捜査官役のイーサン・ホーク、二人の演技合戦にグイグイ引っ張られる。
本作の渾身の演技がデンゼル・ワシントンを2度目のオスカーに導いた。
ところでアントン・フークア監督は黒澤明の影響は大きいのだろうか。
ストレートに『マグニフィセント・セブン』という『荒野の七人』のリメイクもあるが、『イコライザー』は『用心棒』であり、本作の型破りの教育を施すベテランと純粋な新米のコンビは『赤ひげ』などが頭をよぎる。
余談:自粛鬱はないけど、スーパーマーケットで食料品の買い物に行くと、これまでよりかなり混雑している。
不安から買い置きをしておきたいというのは分かる。
問題は「一家庭から代表者一人出来てください。間隔をあけてください。」というのを守ってない人が多くていやになる。
どこにも行くところがないのかもしれないけど、夫婦&子供と一家総出でワイワイと買い物している姿は平時ならほほえましいけど、感染拡大中は遠慮していただきたいと痛切に思う。
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