『
ブレッドウィナー』
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』『ブレンダンとケルズの秘密』で知られるアイルランドのアニメーション・スタジオ、カートゥーン・サルーン。
その設立メンバーの一人ノラ・トゥーミーが単独で監督した本作は第90回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネートされた。
これまでのファンタジックさある話よりもずっとシリアスな題材にはやや驚かされた。
舞台はタリバン支配下のアフガニスタン。
足の不自由な父親がタリバンに連れ去られ、探し求める11歳の娘パヴァーナの奮闘を描く。
父が連れ去られ男手がない一家にあって女性だけの外出が許されないタリバンの規則では食料の調達もままならない。
パヴァーナの思いもかけぬ機転でピンチを抜け出したかに見えたが…。
あまりに理不尽な女性差別や横暴なタリバンには強い怒りを覚える。
それと同時に戦争状態からいつになっても当たり前の生活ができないアフガニスタンの人々の苦境には心が痛む。
パヴァーナが幼い弟に聞かせる父譲りの寝物語は厳しい現実しかないアフガニスタンにあっては希望を持たせる意味でも必要だったのだろう。
絵巻物のような美しさは相変わらず魅力を放つ。
助言を与えたというアンジェリーナ・ジョリーがエグゼクティヴ・プロデューサーを買って出ている。
公開規模は小さいがすでにNetflixでは『生きのびるために』の題で配信中。
https://www.netflix.com/jp/title/80217121
(どうしてタイトルが違うのだろう?)
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