『
2人のローマ教皇』
これまた昨年末に<劇場>で鑑賞したNetflix作品。
カトリック教会の裏側に迫る実話に基づく映画で、転換期ともいえる時代に異なるスタンスで教皇となった二人を追う。
昨年来日したローマ教皇“フランシスコ”とその前の“ベネディクト16世”をモデルにしているが、演じる二人の俳優がよく似た雰囲気を醸し出す。
アンソニー・ホプキンス、ジョナサン・プライス共に名優として知られ、その期待通りの演技合戦に酔いしれる。
欧州出身、豪華な衣装で派手さを演出するベネディクト16世に対し、ポピュラー音楽に親しむといった質素で庶民的な南半球出身フランシスコの対比も時代の変わり目を映し出す。
冒頭からストリート・アートを巧みに使う演出に唸る。
ニュースで概容だけ知っていたコンクラーベの具体的映像やシスティーナ礼拝堂の使用はドキュメンタリーの様でワクワクする。
相容れないはずだった二人に芽生える奇妙な友情にしみじみ。
重い題材でありながら軽妙さがにじむ佳作。
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