遅ればせながら新年おめでとうございます。
ようやく寝正月からの帰還。
年末から抱えていた腰痛もなんとか回復したか…。(結構長かった)
明日から仕事が始まるのでノンビリはしてられないけど、簡単に“円盤初め”を記録の意味を兼ねて。(電波はじめもあるなぁ)
『ホテル・エルロワイヤル』
日本では未公開になったがタランティーノ風味のアクションサスペンス。
映画秘宝的と言った方が分かる人にはわかるか。
60年代末、カリフォルニアとネバダ州の境に建つ古びたホテル「エルロワイヤル」で巻き起こる騒動。
神父・歌手・セールスマン・謎の若い女などそれぞれの思惑が絡み合い時事ネタを取り込みスピーディーに展開。
タランティーノの映画が好きな人にはオススメできる。
奇しくも『ワンハリ』と同時代で似たような人物も登場。
ジェフ・ブリッジス、ダコダ・ジョンソン、クリス・ヘムスワースと多彩なキャストが揃う。
『黒い牡牛』
言わずと知れた赤狩りでハリウッドを追われたダルトン・トランボがロバート・リッチの偽名で執筆し、アカデミー賞で原案賞を受賞。
しかし、その事情から受賞式に出られずに、以後この賞が廃止される要因となったいわくつきの名作。
表面的には貧しい少年と一頭の牡牛との友情モノではあるが、少年や不当な理由で闘牛場に引かれて行く牡牛にトランボ自身が重ね合わされているのは確かであろう。
牡牛に押された焼き印が何を物語るのかも明白。
『トールキン 旅のはじまり』
映画化もされた「指輪物語」の作者J・R・Rトールキンの半生を描く。
この体験があってこその名作の誕生には首肯するばかり。
第一次大戦での<旅の友の死>はかなりストレートな引用だし、英国舞台の恋と友情物語という青春映画としても立派なもの。
戦場での煙や炎を怪物に見立てる描写もなるほどと思う。
トールキンの繊細さをニコラス・ホルトが好演。
『クローバーフィールド・パラドックス』
J・J・エイブラムス製作『クローバーフィールド HAKAISHA』の前日譚ともいえる話。
日本ではネトフリ公開だったのだが、ソフト化もされたのは良かったと思う。
地球の資源問題解決のための宇宙ステーションを舞台にしたSFスリラー。
環状に回転する宇宙ステーションは『2001年〜』を想起させ、内部の疑心暗鬼になる人間ドラマは『エイリアン』が脳裏に浮かぶ。
割と手あかが付いたSFにも思えるが、セットやSFXはそれなりによくできているので楽しめなくもないが、観終ってモヤモヤしたものも残る。
チカラ技で『クローバーフィールド HAKAISHA』につないで見せているが、風呂敷の畳方は上手いとは言えない。(この辺はJJらしい?)
独自の映像世界を見せる湯浅政明の長編アニメが正月にNHKで連夜放送していたので夜更かしして鑑賞。
『夜明け告げるルーのうた』
ともすると(ジブリ映画、アビスなど)既成の作品の影がちらつくが、それを跳ね飛ばすだけの独自性も持っている傑作。
絵が動くことの魅力をこれだけ伝えられるアニメ作家は貴重であろう。
音楽の造詣が深いという湯浅監督ならではの音楽と動きのシンクロはアニメならでは。
バンド青春映画として見ても一級品であろう。
脚本を『聲の形』『ガルパン』『若おかみ〜』等の吉田玲子が務めたことも安心感をもたらす。
『夜は短し歩けよ乙女』
森見登美彦の小説をアニメ映画化。
原作は未読なれど、文学をモチーフにしたウンチクネタの宝庫に文学好きなら頬が緩むのではないか。
こちらも学園祭ドラマ、青春ものとして幅広くアピールできる要素を持ち得る。
キャラが立っている本作において一際輝くヒロインが魅力的で、年間のベスト女優にノミネートされてもおかしくない。
テンポの良さと軽妙洒脱な会話劇に時の経つのを忘れる。
この2作が同じ年に公開とは恐れ入る。
そうそう、年末にベストを記したけど、【番外編】としてTVドラマでお気に入りをピックアップ。
WOWOWで放送された『キリング・イヴ』にノックアウトされる。
サイコパスの暗殺者ヴィラネルのキャラクター造形が見事。
スターチャンネルで放送された『チェルノブイリ』も必見ドラマ。
どこかで機会があれば是非。
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