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2019年11月21日23:43

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新譜之雑談帖(その623)―J.S.バッハ オラトリオ全集 ヘルムート・リリング シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム

今は昔(毎度毎度昔話しか出来ないのは、ぢぢいなので御勘弁いただきたい所、でありますが)、バッハの宗教曲と言えばリヒターか、ヘルムート・リリングの演奏が定評のあるものでありました。
リヒターは没後もうすぐ40年になろうか、というのに今尚バッハ演奏の模範的な扱いでありますが、リリングの方は、その後のわたくしの大嫌いな古楽器派の演奏がのさばる様になり、ちょっと影の薄い存在となっているのは残念な所。

そのリリングの演奏による、バッハのオラトリオが一つにまとめられて発売される、との告知が。わたくし、バッハの声楽曲には疎いもので、クリスマス・オラトリオ以外の作品があった、とは知りませんでした。ううむ、リリングの演奏ならば食指がそそられる所。

わたくし、生憎リヒターの実演に接する事は出来ませんでしたが(最晩年にオルガンとチェンバロのソリストとして来日しましたが、この時の演奏は非常に出来不出来が大きくて、とある演奏会では堪りかねた聴衆から、「リヒターさん、もっとちゃんと演奏してください」とヤジが飛んだ演奏会もあったとか。尤もそんなお話は、今日殆ど伝わっていない、のでありますが)、リリングの方はマタイ受難曲の来日公演を聴く事が出来ました。リヒター程峻厳ではないものの、朴訥と云い得る様な実直な、ある意味等身大のバッハを聴く思いがしたものです。

という訳で、リリングによるバッハのオラトリオ全集には、大いに音盤道楽心を惹かれるものがある(しかも全集、でありますから)のですが、果たして独逸語(わたくし独逸語については、殆ど文盲でありまして、声楽曲は只その響きを楽しむと云った具合)の歌唱を立て続けに聴くだけの甲斐性があるかどうか、甚だ心許ない所。さあて、どうしましょうか。


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