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2019年10月27日23:33

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新・音盤雑談帖(その80)―フルトヴェングラー/ストックホルム・フィル録音集成(4CD)

此処の所、古い録音の御蔵出しセットがひっきりなしに発売されるもので、未聴盤が次第に堆くなりつつあり、些か頭を抱えて居ります。順次購入した時期が古い分から聴いていって、感想文を心覚えの為に書きつけよう、と思っていますが、セット物が多いので遅々として進まず、自業自得ながら些かフラストレーションも堪りつつあるところ。

順番をすっ飛ばして、今回先日発売されたフルトヴェングラー/ストックホルム・フィルの録音集成(矢張りスウェーデン放送局所蔵のテープからの復刻、という売り文句に、つい負けて購入)について感想文を書こう、と思ったのは(別に個人の日記なので、好き勝手に何を書こうが構わないのですが、自分で拵えた原則を破るのは、ちょっと気が引けるもので)、以前にも書いたレオノーレ第三のリハーサルと、聴き比べがし易い第8交響曲について、得る所が大きかったものでありまして。

先ずリハーサルの方。このリハーサルを聴くのは、恐らく20年ぶりくらいの筈(持っていたLPレコードを処分してからは、この録音を収録したCDを購入していなかったので)。さあて、長年の間に記憶が美化されてはいないか、我ながら些か心配だったのでありますが(脳味噌の老朽化もあって)、結論から言いますとこれは杞憂に終わりました。フルトヴェングラーの謦咳も明瞭に入っているし、何よりもベートーヴェンの楽曲を劇的に盛り上げる過程が記録されていて、大変に興味深いものでありました。

次いで第8交響曲。元々が70年以上前の、今日の様に条件を整えた上での実況録音ではないので、限度はありますがそれでもおとの鮮明度については、一皮剥けた印象が。オーケストラの力量的な問題はない訳ではないものの、それでも細部にわたってくっきり聴き取れる様になり、わたくしとしては大いに満足、未だ第7交響曲も、第9交響曲(こちらは某塔音盤店でちょこっと聴いただけですが、音質の改善の点では、第8交響曲以上のものがある様に思いました)も未聴なのですが、大いに楽しみになって来た次第。

わたくしの個人的な音盤道楽の方針であります、「待てば海路の日和あり」を反映した様なセットである、と申し上げて宜しいか、と。未聴の独逸鎮魂曲も含めて、大いに楽しみにしてよさそうです。これだから音盤道楽が止められない、のでありますね。
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