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2019年10月21日23:51

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点鬼簿之雑談帖(その144)―吾妻ひでお氏の訃報

漫画家の吾妻ひでお氏の訃報が伝えられました。享年69。ある時期失踪したり、重度のアルコール中毒となって、病院に強制入院させられたりして、それを漫画化した作品が話題になったりしましたが、深酒が祟ってか食道癌で闘病中であったそうで。

<引用開始>

漫画家の吾妻ひでおさん死去 69歳、漫画「失踪日記」「不条理日記」など

ホームレス生活、アルコール依存症による強制入院までを赤裸々に描いた漫画「失踪日記」で知られる漫画家の吾妻ひでお(本名・吾妻日出夫)さんが、今月13日に死去していことが21日、分かった。69歳。かねてから食道がんの治療中だった。吾妻さんの公式ツイッターで発表された。

ツイッターでは「13日未明、都内病院で永眠いたしました。ここに謹んでご報告申し上げます。合わせて永年の読者の皆様のご支援と励ましのお言葉に改めて御礼申し上げます」と報告。葬儀、告別式については近親者のみで執り行われたという。後日、お別れ会を開く予定。決まり次第、公式ツイッターで報告する。また、「オリンポスのポロン」「ネオ・アズマニア」などの作品を出版した早川書房は、公式ツイッターで「謹んでご冥福をお祈りします」と悼んだ。

吾妻さんは1970年代後半から80年代初頭にかけ、不条理ギャグ漫画や美少女漫画で、オタク層から絶大な支持を得た。

◆吾妻ひでお(あづま・ひでお) 本名・吾妻日出夫。1950年2月6日、北海道生まれ。漫画家・板井れんたろう氏のアシスタントを務め、69年「リングサイド・クレイジー」でデビュー。70年代後半から80年代初頭にかけ、「ふたりと5人」「やけくそ天使」「ななこSOS」「不条理日記」(79年に第10回日本SF大会星雲賞コミック部門受賞)などギャグ、不条理、SF、美少女漫画の幅広い分野で、カリスマ的人気を得る。コミックマーケットで同人誌を売るなどの活動も行っていた。

<引用終了>

出典Web:https://hochi.news/articles/20191021-OHT1T50204.html

わたくしは高校生〜浪人生〜大学生の頃、当時活発に作品を発表していた吾妻氏の作品が割に好きで、結構読んで居りました。尤も単行本を購入する、ところまではいかなかったのですが、この時期連載されていた作品(「ふたりと五人」「やけくそ天使」や「ななこSOS」といった)作品は大体読んでいた、と記憶して居ります。

失踪時代やアルコール中毒による強制入院の体験記も読みましたが、わたくしの如き絵の才能も、面白いお話やギャグを考える能力を決定的に欠いている凡人にしましては、何をそんなに苦しまなければならなかったのか、釈然としなかった思いが。
後に早川書房から、代表作の『ななこSOS』が文庫本3冊にまとめられ、これまたわたくしがからきし弱い、完全版なぞという文句付きの腰巻と共に発売された時は、喜び勇んで買ったものでした。只、嘗ての作品と、後年(比較的近年)描かれたものでは、絵柄が変わって仕舞っていて、甚だ失望を覚えたものでありました。

元々の作品の発表から、大分時間が経過して仕舞っているので、経年変化は避けられない所、でありますが、描線に嘗ての様な屈託のない、ある意味の流麗さが失われて、何か描きたくはないものを商売上(或いは熱烈に求められて)、止むを得ず描いたという様な、或いは強張った指で無理をして描いた、という様な気配を感じて(無論只の妄想に過ぎないのかも知れませんが)、どうも何か突っかかるものを感じて仕舞いまして。

嘗てその作品を大いに楽しんだ作者の訃報に接して、矢張り寂寥感は禁じ得ぬものがあります。慎んで故人の御冥福をお祈り申し上げたい、と思います。


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