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2019年10月16日23:57

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展覧会之雑談帖(その4)―正倉院の世界展

さて。期せずして三連休となりまして、流石に土曜日は電車が動かなくなるので、自宅で膝を抱えて大人しくしていて。台風が過ぎ去った翌日曜日は、台風一過の言葉の様に風は未だ強かったものの、空には一片の雲もない程の、抜ける様な青空。これはちょっと出かけたい所。さて、上野の美術館では、コートルード美術館展をやっているそうだし、それでも観に行こうかと思っていると、新聞に正倉院の世界展が、この月曜日から始まる、との広告がが目に留まりました。
五弦琵琶や漆胡瓶の写真はあるけれど、これはまあこんなものが正倉院にはありますよ、という只の宣伝用の写真なんだろう、と良く見ないでいたら、わたくしの読んだ後に新聞を読んでいたカミサン曰く、五弦琵琶が来る、って書いてあるよ。

なに。
慌ててみてみると確かに会期の前半に五弦琵琶が展示される、との記載が。おお、なんてこったい。これは万難を排してでも、出掛けなければなるまい。しかし、こんな展覧会があるとは知らなかったので、前売り券も買っていないし、と思っていると、再びカミサンの曰く、インターネットでも前売りけんが買えるっぽいよ。

なに。
読んでみると、確かに購入可能な様で。これはこうしてはいられない。という訳で、早速インターネットで前売り券を申し込み、きっと混むだろうから展覧会のオープンの時間の1時間前には博物館の前に並んでいないと行列に巻き込まれる事になる。という訳で、休みの日は10時近くまで寝ているのを通例としているわたくし、この日ばかりは6時半に目覚ましを掛けて起きて、おっとり刀で上野の国立博物館へ。

電車を降りると、同じ方向に向かう親子連れが結構多い。動物園でパンダでも見に行く一行か、と思いきや、そちらには向かわず博物館方面の道に。仕舞った、読みが浅かったかと後悔の臍を噛む間もなく、親子連れは皆博物館で向かう前の所で次々と右に折れていくではありませんか。
おや、と思うとお目当てはこの日が最終日の恐竜博だった様で。ほっと胸を撫で下ろして、会場の国立博物館に到着すると怖い蟹(使い古しのぢぢいギャグ)。
殆ど人がいない。いや、まるっきりいない訳ではないけれど、多く見積もってせいぜい4〜50人ほど。なんてこったい。
何度となく新幹線の一番電車に飛び乗って通った、奈良の正倉院展でもこれほど行列の前に並べた事はなかったので、心の中で思わずガッツポーズをとって仕舞う程。

しかも本来なら9時30分開場予定なのに、次第に長くなる行列を見て(雨がぱらついていた事もあってか)、係員が「会場の準備が出来次第、本来の開場予定時間より前に、御入場いただきますのでもう少しお待ちください」と、これまた涙が出る程有難い御言葉が。
という訳で、9時少し前に早くもぞろぞろと行列の移動が。うおおおおお。

とは云うものの、まあ五弦琵琶以外の展示物は大した事はないだろう、と思いきや。各年の奈良での正倉院展の、その年の目玉になるべき出展物が目白押し。おお、なんてこったい。人もまばらなので、たっぷりと堪能して、愈々わたくしが大好きな五弦琵琶の前へ。
所がこれがどうした事か、五弦琵琶の展示の前には、殆ど人がいないではありませんか。無論全くいない訳、ではないけれどせいぜい10人程度。最後に正倉院展に足を運んで、五弦琵琶を拝んだ時は、狭い会場なのにそこだけ何十人もの行列が出来て、押し合いへし合いしながら、それでも最前列では止まる事を許されず、慌ただしく拝観を済ませざるを得なかったのに。なんという事か。
無論こんな幸運は滅多に訪れるものではない事は百も承知なので、じっくりゆっくり、心行くまで拝観に耽ったのでありました。しかも先日、展示時期を勘違いして見損なった五弦琵琶のレプリカも展示がされていて、目福の極み。他にも蘭奢待はあるわ、螺鈿の鏡はあるわ、白石火舎はあるわ、銀薫炉はあるわ、で嫌という程堪能したのでありました。

メインの正倉院の宝物の他にも、江戸時代に行われた御開封時の絵図面や、長い間にボロボロになって、塵芥として伝わっている残骸の数々等、普段御眼に罹れない様なものもこれまた目白押し。凄い、と圧倒されながら会場を後にしたのでした。

時間が取れれば、漆胡瓶の展示が行われる、後期もいってみようかな、と思った次第であります。
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