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2019年10月08日23:59

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新譜之雑談帖(その610)―ヘルマン・アーベントロート ボックス

ヘルマン・アーベントロートという指揮者は、戦後活躍の舞台を東独逸に置いた為、その活動が極東の島国である日本に届く事が稀になり、没後は殆ど忘れ去れた指揮者となって居りました。それでもフルトヴェングラー没後の、レコード芸術の追悼特集号を大学時代、大学の図書館で借りだして読んでみたら、後継者の一人としてカラヤン、ヨッフム、ベームと云った面々の後、アーベントロートの名前が。只記事にも、「只彼は考えてみると、フルトヴェングラーよりも年上である」とあって、この時代にはそれなりに存在は知られていたのだな、とちょっと意外の感が。

その後は長く、この人の名前は忘れ去られていた―それでも一度、高校時代に読んだ音楽現代で、この指揮者に関する二頁ほどの記事を読んだ記憶があります。その記事を読んでから1年程後、当時の徳間音工からエテルナ・レーベルの名前で、戦後の実況録音が纏めて発売され、ちょっとしたセンセーションを呼んだものでした。
確か故宇野功芳氏が、「フルトヴェングラーとメンゲルベルクを足して2で割った様な演奏」と紹介し、後に仏像を盗んで取っ捕まった某音楽評論家が、「そんな単純化した物言いで、よく音楽評論でございと云々」と貶して、当時のわたくしはおやおやと思ったものでありました。

そのころ発売されたベートーヴェンやブラームスの演奏を聴いて、アーベントロートはわたくしの御贔屓指揮者の一人になった訳ですが、困った事にこの人の演奏はあっちこっちのレーベルから、ある意味脈絡なく発売されてきたので、 購入する側としては新譜の案内が出て、果て収録曲はとみてみると結構ダブりが生じる事が判明したり、で中々纏めて揃える機会がなかったでありますが(某剽窃とパクリが十八番のKの国から出た録音集は論外)、この度某Plofilからベートーヴェン・ブラームス・ブルックナーの録音集が発売される、との告知が。

見るとダブって仕舞う演奏もありますが、これまでわたくしこの指揮者のブルックナーには色々なめぐり合わせから手を出してこなかったのと、戦時中のライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との録音(これもまだ蔵していないもの)、戦後のワルシャワ・フィルとの実況録音等、未だ未所蔵の音源が幾つか収録されているのがミソ(わたくし個人としましては)。

そうそうあれこれ手を出しても、聴く時間が確保できるのかという問題と資金繰りの問題を、どうクリアするかが難しい所でありますが、わたくしにとっては道楽心を擽られる録音集成でありますね。
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