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2019年08月15日23:57

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点鬼簿之雑談帖(その141)―出口 保夫氏の訃報

英文学者の出口保夫氏の訃報が伝わりました。享年89。もうそんな御歳であったか、とちょっと意外の感に打たれました。この方はロンドン留学中の夏目漱石の足跡についてあれこれ調査を行い、本も何冊か出されていて。著書はわたくしの本棚にも並んでいます。記憶が間違っていなければ、クレイグ先生の写真や死亡報告書、或いは下宿の親父だったブレットの写真を発掘したのも、この方だった様な。

<引用開始>

出口保夫氏死去、英文学者

出口保夫氏(でぐち・やすお=英文学者、早稲田大名誉教授)2日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため神奈川県鎌倉市の病院で死去、89歳。三重県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長男、雄大(ゆうだい)氏。

英国のロマン派の研究を専門とし、「キーツ全詩集」で日本翻訳文化賞を受賞。著書に「評伝ワーズワス」「夏目漱石とロンドンを歩く」など。

<引用終了>

出典Web:https://www.sankei.com/life/news/190815/lif1908150050-n1.html

中々素人では見いだせない資料を発掘して貰い、有難いは有難いのでありますが、厳密に言いますと著書には誤りもありまして。

漱石が倫敦滞在中に、ヴィクトリア女王が崩御した訳でありますが、その葬列が倫敦のアドミラリティ・アーチをくぐった、という記述がありますが、実はこのアーチが出来たのは1911年。また、女王の棺はユニオン・ジャックで覆われた、とありますがこれも誤りで、女王の棺を覆ったのは、女王旗。王族が崩御された時は、それぞれの旗で棺を蓋うもの、なんですがねえ。

まあこうした素人が突っ付けるようなミスは、専門家として些かどうよ、という気がしないでもありませんが、英米文学者であって英米史学者ではなかったので、止むを得ない所かも知れません。

それはそれとしまして、故人の御冥福を謹んでお祈り申し上げます。

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