歴史的には、噴煙を上げていた時期の方が長い(らしい)富士山。万葉集や新古今和歌集でも、噴煙を上げている富士山の姿が歌に詠まれているとの事。それでも宝永年間の噴火から約300年間、沈黙を守っている訳で。この宝永山噴火規模と同程度の、噴火が起きたらどうなるか。政府がまとめた結果が公表されました。
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降灰、神奈川10cm・都心1cm 富士山噴火で政府推計
政府は22日、富士山の大規模噴火に伴う首都圏への降灰について、1707年の「宝永噴火」をモデルに時系列で検証した結果を中央防災会議の作業部会で示した。2018年12月の風向・風速を基に推計し、神奈川県西部で噴火2日目に10センチ超、東京都新宿区では14日目に1センチ積もるとした。
宝永噴火は12月16日に発生し、小康状態を挟みながら16日間続いたとされる。史料や地層調査などから各地の降灰量は研究されてきたが、時系列でどのように降り積もったかの分析はなかった。推計では、羽田空港への影響が懸念される東京湾上は6日目と10日目に1.5センチずつ堆積し、累計は4.5センチ。成田空港がある千葉県成田市は13日目に0.3センチだが、降灰中に航空機の迂回や離着陸の停止が起こり得るとしている。
政府は過去10年の気象観測データを使ってシミュレーションしたところ、18年12月の風向・風速での推計が、宝永噴火の降灰量や分布に近い結果となった。風向や風速など条件次第で結果は大きく変わるが、これを基本ケースと位置付け、交通や電気、水道など生活面への影響評価や灰の除去手順の検討に生かす。降灰被害については、1センチ程度の堆積でも道路の通行止めや鉄道の遅延・停止が生じ、送配電網の性能低下による停電のリスクがあるとみている。
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出典Web:
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42811600S9A320C1CC1000/?n_cid=DSTPCS001
宝永山形成時の噴火の規模で収まる保証は、実は何処にもない訳ですが、歴史的データが―江戸時代ですので―比較的豊富な事例でも、甚大な被害が想定される様で。願わくば、そのような日の訪れが可能な限り遠い未来であってほしいものです。
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