mixiユーザー(id:5087127)

2019年01月31日23:55

122 view

LPレコード之雑談帖(その9)―アレッサンドロ・モレスキ録音集

カストラート、とは声変わりをする前の男性に去勢を施す事で―早い話がタマ抜き、でありますねーボーイ・ソプラノの音域と、大人の声量を確保する、という今日では凡そあり得ない音域の歌手。その最後のカストラートがアレッサンドロ・モレスキでありまして。彼が残した録音は、矢張り好事家が少なくないのか、20世紀初頭の劣悪なる録音状況にも関わらず、何回かCD化されて居ります。と、他人事の様に述べているわたくしも、モレスキのCDを2種類も持っておりまして―例によって例の如く、「音質の向上が顕著」てな宣伝文句にコロリとやられて、2枚も買う事になった訳、でありますが―立派な悪趣味の持主、と言う事に。

カストラートの歌声については、幾つもの文献が残っていますが、モレスキの声は贔屓目に見ても今日の好みからは大きく外れていて、文献から思い描く様なものとは様相を異にしておりまして。尤も他に比較の対象がない―録音を残したカストラート歌手は、後にも先にもモレスキだけ、なので―ので、実際カストラートがどの様な歌声を聞かせていたか。ソプラノ歌手と一口に言いましても、マリア・カラスとエリザベート・シュヴァルツコップとは、まるで声の性質は違う事を以てしても、カストラートにも色々な声の性質を持っていた者がいたのは想像に難くないのですが、何しろ録音が……

その最後のカストラートのモレスキの歌唱が、この程LPレコードでも出る事になったそうで。ううむ。
LPレコードになった所で、音質が劇的に改善される、とは思えないのですが、求める人がいる、と踏んでの事なのでありましょう。しかしなあ……
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する