海外ニュース之雑談帖（その２）―レンブラントの『夜警』の修復

今上野には、フェルメールの絵が来て大変な賑わいを見せている様で。ただ、わたくし個人の好みでは阿蘭陀の画家ならフェルメールよりもレンブラントの方が、わたくしの琴線に触れる所が多いかと思います。そのレンブラントの代表作『夜警』が修復作業に入り、インターネットで中継されるとか。有難い時代になったものです。

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名画の修復、ネット中継へ オランダ


日本でも根強い人気を誇るオランダ絵画の巨匠レンブラントの傑作「夜警」が7月から大規模な修復に入る。所蔵するアムステルダム国立美術館は修復作業を全面公開することを決定。来館者だけでなく、インターネットを通じて世界中へ「生中継」する方針だ。日本にいながら、世界的な名画が本来持っていた輝きを取り戻していくプロセスを、リアルタイムで目撃できる好機となりそうだ。

首都アムステルダム市の国立美術館。約8000点という展示品の中でも、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」など、オランダを代表する名画がずらりと並ぶ同館の目玉が2階中央の「名誉の間」。その中でも最も目立つ最奥部の真っ正面に「夜警」は配置され、強烈な存在感を放っている。「夜警」は小国オランダが世界に栄華を誇った17世紀の「黄金時代」を代表する名画であり、オランダ人にとって特別な作品。2013年に当時のベアトリックス女王が生前退位した際には、「夜警」のすぐ前にテーブルを据え、女王として最後の晩さん会を開いた。同国の"至宝"ともいえる存在だ。

ただここ数年、作品の一部で変色が目立ち始めるなど、審美的な問題に直面してきた。19年はレンブラント没後350年の節目だが、あえて大規模な修復に踏み切る決断を国立美術館は下した。
絵画の修復といえば、通常は美術館の舞台裏の作業だ。せっかく美術館を訪ねたのに、人気の名画が修復中で鑑賞できず、がっかりした経験を持つ人も多いはず。

しかし、国立美術館のタコ・ディビッツ館長は「夜警は世界で最も重要な作品で、世界中の多くの人が鑑賞したいと思っている。たとえ修復中でも人々に見せられるようにしておく必要がある」と強調。修復プロセスを完全公開する方針だ。

7月から始まる修復作業中、「夜警」は7メートル四方の最新技術を駆使した透明ガラスの壁で囲まれる。来館者は今まで通りに「名誉の間」へ向かえば、ガラス越しに修復中の「夜警」を鑑賞できる。さらにインターネットで修復作業を「生中継」し、「世界中のどこにいても、いつでも修復をみられるようにする」（ディビッツ館長）。これまで「夜警」は3度にわたって観客に傷つけられる災難に見舞われてきた。中でも深刻だったのが75年にナイフでジグザグに切り裂かれた事件だ。本格的な修復はそのとき以来となる。

「右下に描かれた犬のあたり」。美術館スタッフのレンズさんが指さした先をみると、確かに白いもやのような変色が浮かんでいる。中央左側の少女の頭部の周囲も変色が目立つという。「レンブラントが描いた本来の色合いを取り戻すのが楽しみ」と、レンズさんも修復が待ち遠しそうだ。変色は過去の修復部分が劣化した可能性もあるが、どんな修復が必要になるかは今後の分析次第だという。まず最初の数カ月は高感度カメラやX線などによる分析に費やす。表面だけでなく、その下に隠れた絵の具や下絵、キャンバスの状態なども調べ、最良の修復手法を選ぶ。修復を終えるまで数年を要する可能性が大きい。

「修復のプロセスというのは見ていてとても楽しいもの。レストランの調理場にコックがどうやって料理を作っているのかを見に行くことができるのと似ている」。ディビッツ館長が修復を鑑賞する醍醐味を語る。修復中は来館者の質問に修復師ら美術館スタッフが説明する機会をもうけるほか、修復プロセスで新たに判明した事実も定期的に公開していく方針だ。

そもそも「夜警」はタイトルと違って、日中の情景を描いた作品。しかし表面のニスが長い時間をかけて黒ずみ、18世紀に夜の情景だと誤解されて名付けられた。日中の情景を描いていると判明したのは、20世紀に入ってから古い表面のニスが洗浄され、明るみを取り戻したからだ。今回の修復でも、没後350年を経て明らかになるレンブラントの"真実"が見つかるかもしれない。

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出典Erb:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190130&ng=DGKKZO40656580Q9A130C1EAC000

切り付け事件の他にも、この絵は随分乱暴に扱われて居りまして。飾る場所を移動した際、寸法が大きすぎるという事で、えの左側ろ上の部分が後世切断された、というのは随分と有名なお話。果たして今回の修復佐合が滞りなく進められるものか、些か気になる所ではあります。